結論:フリー素材を安全に使うコツは「出所」「利用条件」「証拠保存」の3点セット
顔出しなしYouTubeでフリー素材(BGM・画像・動画)を使うなら、まず押さえるべきはこの3つです。
- 出所:どこから入手した素材か(公式・配布元・作者が明確か)
- 利用条件:商用利用OKか/クレジット必要か/改変OKか/再配布NGか
- 証拠保存:規約ページと入手情報を、後から説明できる形で残す
「著作権フリーって書いてあったのにClaimが来た」「昔はOKだったのに規約が変わっていた」など、初心者のトラブルはだいたい“確認不足”か“証拠不足”で起きます。完璧にトラブルゼロを目指すより、来ても慌てない運用(素材台帳)を先に作るのが最強の防御です。
この記事では、初心者でも迷わないように「安全な素材の探し方」「利用規約のチェック項目」「素材台帳(スプレッドシート)テンプレ」「Claimが来た時の確認手順」まで、手順書としてまとめます。※本記事は一般情報です。個別の法的判断が必要な場合は専門家へ相談してください。
そもそも「フリー素材=何でも自由」ではない
「フリー素材」「著作権フリー」「ロイヤリティフリー」などの言葉は、サイトや作者によって意味が違います。初心者が一番やりがちなのは、“無料=無条件でOK”と誤解すること。
多くの素材は、無料でも条件があります。たとえば、よくある条件は次の通りです。
- 商用利用OK/NG:YouTube収益化(広告が付く動画)で使っていいか
- クレジット必須/任意:説明欄に作者名やリンクを入れる必要があるか
- 改変OK/NG:トリミング、速度変更、色調整、ループ、フェードなどが許可されるか
- 再配布NG:素材そのものを配る・売る・まとめる行為が禁止されているか
結論として、フリー素材は「自由」ではなく“ライセンス(利用条件付きの許可)”として扱うのが安全です。
YouTubeで事故りやすい素材は3つ:BGM・画像・動画
初心者がつまずきやすい順に、よくある落とし穴を整理します。
BGM(音楽):一番Claimが来やすい
BGMは自動検出の対象になりやすく、アップロード後にContent IDのClaim(申し立て)が付くことがあります。素材自体は正規でも、別の権利者の登録状況や一致判定で引っかかるケースがゼロではありません。だからこそ「出所・条件・証拠」が重要です。
画像(写真・イラスト):商標・人物・建物で詰む
無料サイトでも、写真に写っているロゴ・ブランド(商標)、人物の肖像、建物やアートのプロパティ権などで用途が制限される場合があります。特に「広告・商品紹介・アフィリエイト」寄りの動画は慎重に。
動画(ストック映像):再配布に見えやすい+量産感のリスク
ストック動画は便利ですが、素材を貼っただけの動画が続くと、視聴者にも審査にも“量産っぽい”印象が出やすいです。収益化の観点では、解説・図解・比較・検証などの付加価値を毎回必ず足す運用が安全です。
安全な素材の探し方:おすすめの順番(最短ルート)
「どこで探すか」で難易度が変わります。初心者は、まずルールが明確で、後から説明しやすい場所から選びましょう。
優先1:YouTubeオーディオライブラリ(BGM・効果音)
YouTube内で使う前提の設計なので、初心者の第一選択になりやすいです。
さらに便利なポイントが2つあります。
- 帰属表示(クレジット)が必要な曲は、ダウンロード画面で“コピーボタン”から文面をコピーできる
- 「帰属表示不要(Attribution not required)」で絞り込みできる(入れ忘れ事故を防げる)
「説明欄に何を書けばいいか分からない」問題を、かなり減らせます。
優先2:利用条件が明確なフリー素材サイト(国内・海外)
国内のフリーBGM、海外のストックなどは便利ですが、サイト独自ルールを見落としがちです。必ず「素材ページ」だけでなく規約ページを確認して、素材台帳に残しましょう。
優先3:SNSで見つけた“作者不明素材”は避ける
「TikTokで流行ってたBGM」「どこかのまとめサイトから拾った画像」など、出所が曖昧な素材は事故率が跳ね上がります。初心者ほど、ここは徹底して避けた方が安全です。
利用規約の読み方:この5項目だけ見れば事故が激減する
規約を全部読むのがつらい人は、チェック項目を固定化してください。この5つだけ見れば、だいたい守れます。
| チェック項目 | 見るポイント | 初心者の落とし穴 |
|---|---|---|
| 商用利用 | YouTube収益化(広告付き)で使ってOKか | 「商用NG」なのに収益化動画で使ってしまう |
| クレジット表記 | 作者名・URL・ライセンス文が必要か | 帰属表示が必要なのに入れ忘れる(説明欄テンプレで防ぐ) |
| 改変OK/NG | トリミング、色調整、速度変更、ループが許可されるか | 「改変禁止」素材を編集で加工してしまう |
| 再配布・販売 | 素材そのものの配布・販売が禁止か | 「BGM集」「素材まとめ」で実質再配布になる |
| 禁止用途 | 公序良俗、誹謗中傷、成人向け等の制限があるか | テーマ次第で利用条件に抵触する(作者ごとの個別条件もある) |
一生モノの自衛策:素材台帳(スプレッドシート)を作る
この記事の核です。素材台帳=「あとから説明できる状態」を作る道具です。Claimが来たときに、焦って探し回らずに済みます。
ポイントは「細かくやりすぎない」こと。最初は最低限の項目でOKです。
素材台帳テンプレ(スプレッドシート形式)
下の表をそのままスプレッドシートにコピペして使えます(列名を同じにすると運用がブレません)。
| 登録日 | 素材種別 | 素材名(曲名/画像名/動画名) | 入手元URL | 規約URL | 商用利用 | クレジット | 改変 | 再配布 | 禁止事項メモ | 規約スクショ | 使用動画URL |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026/01/10 | BGM | (曲名) | (素材ページ) | (規約ページ) | OK/NG | 要/不要(文面) | OK/NG | NG | 例:単体配布NG | 有/無(保存先) | (動画URL) |
運用ルール(初心者はこの3つだけ守る)
- 素材URLと規約URLは必ずセットで残す(素材ページだけは危険)
- 規約ページのスクショを保存する(後から見返せる)
- クレジット文はコピペで保存し、説明欄テンプレに貼る(入れ忘れ防止)
YouTubeオーディオライブラリ:クレジット事故を防ぐ使い方
初心者が一番ラクで安全に運用しやすいのが、YouTubeオーディオライブラリです。
おすすめ設定:まず「帰属表示不要」で絞る
入れ忘れが怖い人は、最初は「帰属表示不要(Attribution not required)」の曲だけで運用すると安全です。慣れてきたら、帰属表示が必要な曲も使えばOKです。
帰属表示が必要な曲:文面は“コピー”して説明欄へ
帰属表示が必要な曲は、ダウンロード画面(または詳細表示)でクレジット文をコピーできる仕様になっています。ここを手入力するとミスるので、必ずコピーを使い、素材台帳にも貼っておくと盤石です。
説明欄テンプレ(例)
クレジットが必要な場合に備えて、説明欄に貼る枠を作っておくと忘れません。
▼使用素材(BGM) 曲名: 作者: ライセンス: (必要ならURL)
画像・動画素材で見落としがちな注意点(顔出しなしほど要注意)
BGMだけでなく、画像・動画も「法律」というより“事故りやすい見落とし”があります。
商標・ロゴがはっきり写っている
レビューや比較でなく、単なる背景として使う場合でも、ロゴが強く出るとリスクが上がることがあります。可能ならロゴが目立たない素材を選ぶ、ぼかす、トリミングするなどを検討します(改変OK/NGは規約確認)。
人物が写っている(肖像・プライバシー)
フリー素材サイト側で権利処理されていても、使い方が不適切だとトラブルになり得ます。刺激的な文脈、誹謗中傷、センシティブなテーマで人物素材を使うのは避けるのが無難です。
「素材を貼っただけ」になっている
顔出しなしでストック中心になるほど、動画が“素材集”っぽく見えやすいです。安全側に倒すなら、毎回どれか1つを追加します。
- 独自の解説(ナレーション/字幕)
- 図解(矢印・強調・比較表)
- 検証(Before/After、A/B比較)
もしClaimが来たときの対処:まず「Claim」と「Strike」を分ける
焦る原因は「これBAN?」と一気に考えることです。まず落ち着いて分類します。
Claim(Content IDの申し立て)
動画は残ることが多く、収益や視聴制限などの扱いが変わるケースがあります。まずはどの素材・どの区間が引っかかったかを確認します。
確認手順(初心者向け:ここだけ見ればOK)
- YouTube Studio → コンテンツ → 該当動画
- 制限(Restrictions)や著作権の表示を開く
- 「問題を確認(Review issues)」のような項目から、Claim詳細を見る
- 可能なら、どの部分が一致したか(タイムスタンプ)を確認する(秒数単位で見えることがあります)
対応の基本(無理に戦わない)
- 権利が明確(素材台帳あり):条件を満たしているなら、落ち着いて選択肢を検討
- 権利が曖昧:先に安全側へ(音源差し替え/該当箇所ミュート/カット)
- 根拠のない異議申し立てはしない:感情で反論すると泥沼化しやすい
Strike(削除を伴う著作権侵害の申請など)
こちらは重いので、YouTubeの案内に沿って状況確認を最優先にします。まずは「どの素材」「どの根拠」で削除になったのかを把握し、むやみに反論せずに手順通り対応するのが基本です。
よくある失敗5選と回避策
失敗1:素材ページだけ見て、規約ページを読まない
回避策:素材URL+規約URLをセット保存(素材台帳に必須列)。
失敗2:クレジット不要だと思い込む
回避策:クレジット要否は必ず確認。必要なら説明欄テンプレを用意し、コピペ運用にする。
失敗3:BGMを固定しすぎて“量産感”が出る
回避策:BGMはローテ(3〜5曲)で回す。素材だけで成立させず、毎回「解説・図解・比較」を足す。
失敗4:海外ストックの禁止事項(単体配布NGなど)を見落とす
回避策:「再配布」「改変」「商標・人物」だけは固定でチェックし、台帳にメモする。
失敗5:Claimが来て焦って、根拠のない異議申し立てをする
回避策:まず該当区間を確認し、差し替え・ミュート・カットで安全側へ。異議申し立ては“権利が明確”な場合に限定する。
まとめ:チェックリストと次にやること
フリー素材は強力な味方ですが、「無料」でも「無条件」ではありません。安全運用の本質は、出所を選び、利用条件を確認し、証拠を残すこと。特に初心者は、素材台帳を作るだけで防御力が一気に上がります。
すぐできるチェックリスト
- 商用利用(収益化動画でOKか)を確認した
- クレジット必須/任意を確認し、必要なら文面を保存した
- 改変OK/NG、再配布NGを確認した
- 禁止用途(誹謗中傷、成人向け等)や商標・人物の注意点を確認した
- 素材台帳に「素材URL・規約URL・DL日・スクショ」を残した
次にやること(3ステップ)
- ステップ1:素材台帳をスプレッドシートで作り、次に使う素材から記録を開始する(過去分は後回しでOK)
- ステップ2:YouTubeオーディオライブラリで「帰属表示不要」曲を3〜5曲選び、BGMローテを作る
- ステップ3:動画制作ルールとして「毎回、解説・図解・比較のどれか1つを必ず足す」を決める
