SNSで収益化するうえで一番怖いのは、テクニック不足よりも「トラブルで継続不能になること」です。炎上・著作権トラブル・ステマ(PR表記)ミスは、たった1投稿で信用とアカウントを失う原因になります。
逆に言えば、投稿前にチェックリストで確認する習慣さえ作れば、リスクは大きく下げられます。この記事では、初心者が最低限おさえるべき法律・規約・表示ルールを「やること」ベースで整理し、コピペ運用できるチェックリストとしてまとめます。
※本記事は一般情報です。個別の案件・表現の適法性判断は状況で変わるため、不安がある場合は専門家や各プラットフォームの公式ヘルプを確認してください。
なぜSNS収益化は「リスク管理」が先なのか(伸びる前ほど危ない)
収益化を始めると、投稿が「個人の感想」から「ビジネスの表示(広告や販売)」に近づきます。すると、次の3つが一気に起きやすくなります。
- 炎上:言い回し・誤解・価値観の衝突で一部が拡散し、想定外に燃える
- 著作権:画像・音楽・引用の扱いが甘いと、削除や申し立てで収益・アカウントに影響
- ステマ規制:PR表記が不十分だと、景品表示法の観点で問題になりうる
重要なのは「炎上しない発信=つまらない」ではない点です。ルールを守りながら“安全に伸ばす設計”は作れます。むしろ、長期で稼ぐ人ほど「投稿前チェック」を仕組み化しています。
まず押さえる:SNS収益化でやらかしやすい3大地雷(炎上・著作権・ステマ)
地雷1:炎上(誹謗中傷・断定・対立煽り・個人情報)
炎上の本体は「悪意」より「雑な言葉」です。特に、断定・決めつけ・ラベリングは火種になります。
- 例:「これをやらない人は情弱」「〇〇は終わってる」
- 例:特定の職業・属性を一括りにして叩く
- 例:購入者・企業名を出してネタ化する(晒し)
伸びる投稿ほど対立を生みやすいので、「勝てる言い方」ではなく「燃えにくい言い方」をテンプレ化するのが安全です。
地雷2:著作権(画像・音楽・転載・引用の勘違い)
「ネットにある=使っていい」ではありません。特に多いのが、他人の画像・漫画・記事・動画をほぼそのまま転載するケースです。引用には条件があり、満たせないなら許諾が必要です。
【重要補足】二次創作(ファンアート)は“自分で描いても”安全とは限らない
アニメキャラやゲームキャラのイラスト、芸能人の似顔絵などの二次創作(ファンアート)はSNSでよく見かけますが、厳密には著作権の翻案(アレンジ)や、作品のイメージを守る権利(同一性保持など)に関わる可能性があります。
初心者が誤解しやすいポイント:「自分で描いた絵だからOK」ではありません。元のキャラクターや写真等が他者の権利物である以上、利用はグレーになり得ます。
- リスクが上がる例:二次創作を使って商品を売る/広告・アフィ投稿のサムネに使う/企業案件のクリエイティブに混ぜる
- 比較的安全に寄せる考え方:公式が二次創作ガイドラインを出している場合は、その範囲内で行う(商用可否・クレジット要否・禁止表現などを必ず確認)
- 迷ったら:二次創作は「収益化導線の中核」に置かず、オリジナル素材(自作写真・自作図解)に寄せる
二次創作は文化として定着している一方、権利者の方針次第で扱いが変わる領域です。収益化アカウントは特に目立ちやすいので、公式ガイドラインが確認できない場合は避けるのが無難です。
YouTube/TikTokで多い:音源・二次利用の誤解
ショート動画でよくあるのが「BGMを適当に入れる」問題です。プラットフォームのライブラリ音源でも、商用利用・地域・配信先で扱いが変わることがあります。最初は「使えるものだけ使う」「許諾範囲を確認する」運用に寄せましょう。
地雷3:ステマ(PR表記不足)
2023年10月1日から、ステルスマーケティングは景品表示法の不当表示として扱われます。初心者がやりがちなのは、「PR表記してるつもり」でも目立たない・分かりにくい状態です。
【チェックリスト】投稿前に必ず見る「10秒確認」テンプレ
投稿直前に、以下だけ確認してください。これを毎回やるだけで、事故率が激減します。
- PR/広告か?(無償提供・割引・報酬・アフィリンクがあるなら原則PR)
- PR表記は目立つ場所か?(本文冒頭、1行目、画像1枚目など)
- 他人の画像/動画/音源を使ってないか?(自作 or 許諾 or ルール内)
- 引用は条件を満たすか?(主従・明確区別・出所明示・必要最小限)
- 二次創作を使っていないか?(使うなら公式ガイドラインの範囲内か)
- 個人情報が映ってないか?(住所、車のナンバー、通知バー、位置情報)
- 断定しすぎてないか?(絶対、必ず、100%…)
- 他者を貶める比較になってないか?(対立煽り・晒し)
- 根拠が薄い数字を出してないか?(平均、確実、相場…)
- 誘導先は安全か?(怪しい商材・誇大表現・規約違反リンク)
ステマ規制(景表法)で詰まない:PR表記の正解とNG例
基本方針はシンプルです。「広告であることが、誰が見ても一瞬で分かる」状態にする。これだけです。
PR表記が必要になりやすいケース
- 企業から報酬を受け取って紹介する(案件)
- 商品提供を受けて紹介する(無償提供でも)
- アフィリエイトリンクで成果報酬が発生する投稿
- 自社商品・自分のサービスへ誘導する(販売目的の表示)
初心者向けの“安全な書き方”テンプレ
- 本文の冒頭:【PR】 または 【広告】 を入れる
- 1行目に「提供/案件」であることを明記する
- ストーリーは最初のフレームで分かる表示にする(小さくしない)
- 画像・スライドは1枚目に「PR」を入れる(見落とし防止)
NGになりやすい例(誤解される)
- ハッシュタグ群の最後に #PR を埋め込む
- 画像の端に小さく「PR」
- 「一応PRです」など曖昧な表現
- PRなのに“第三者の口コミ風”に見せる
著作権で詰まない:画像・音楽・引用の「最低限ルール」
著作権のトラブルは、悪意がなくても起きます。初心者は、次の優先順位で考えると安全です。
大原則:自作>許諾>ルール内素材>引用(条件付き)
- 自作:自分で撮影、作図、録音、作成したもの
- 許諾:素材サイトや権利者の利用規約に沿って使う
- ルール内素材:SNS/編集アプリの提供音源やテンプレ(商用可否は要確認)
- 引用:条件を満たすときのみ(満たせないなら転載)
【コラム】初心者が迷わない「フリー素材」の使い方(代表例)
自分で撮影するのが難しい場合は、商用利用が許可されている素材を使いましょう。ただし必ず利用規約を確認し、禁止事項(再配布・ロゴ利用・商品化など)に注意してください。
- 写真:Unsplash / Pixabay(海外サイト。ライセンス条件の確認は必須)
- 図解・デザイン:Canva素材(プランにより利用範囲が異なることがあるため注意)
- イラスト:いらすとや(利用条件の範囲で。商用・加工・点数制限などルール確認)
「素材名を出して終わり」ではなく、その都度“商用OKか・クレジット必要か・再配布NGか”を確認する運用にすると安心です。
炎上を避ける:誹謗中傷・個人情報・対立煽りを防ぐ投稿ルール
炎上は“伸びた結果”として起きることがあります。だからこそ、伸ばしたい人ほど先にルールを決めるべきです。
投稿の安全ルール(テンプレ)
- 断定を避ける:「〜の場合が多い」「〜の傾向」
- 相手の自由を残す:「合う人は」「目的次第」
- 対立を作らない:「Aが正義、Bは悪」構図を避ける
- 晒さない:購入者DM、企業名、レビューのスクショは慎重に(必要なら匿名化)
- 個人情報は映さない:通知バー、位置情報、背景の郵便物、名札
【注意】安易な「プレゼント企画」は規約違反・スパム認定のリスクがある
フォロワーを増やす目的で、「フォロー&RTで当たる」「コメント必須で抽選」のようなプレゼント企画を安易に行うと、プラットフォームの規約や運用方針に抵触してスパム認定・制限・凍結につながることがあります(条件や禁止事項は媒体によって異なります)。
- 回避策:やる場合は各SNSの公式ガイドラインを確認し、条件・表記・抽選方法・当選連絡の手順を明文化する
- 初心者の結論:最初はプレゼント企画に頼らず、「保存される投稿」「テンプレ配布」で正攻法に伸ばす
具体例:副業アカが“うっかり炎上・著作権・ステマ”を回避する運用
例として、30代会社員が「顔出しなし」でガジェットレビュー+アフィリエイトを始めるケースを想定します。
- やりたいこと:使ってよかった商品を紹介して収益化したい
- 不安:PR表記、画像の権利、批判コメント、会社バレ
この人が最初に作るべき“ルール”
- レビュー写真は自分で撮る(商品ページ画像は原則使わない)
- PR/広告が絡む投稿は、本文冒頭に【PR】を固定
- 比較は「目的別」で書く(特定商品を貶めない)
- スクショは通知バーをトリミング、背景の郵便物は映さない
- 二次創作を収益導線に使わない(公式ガイドライン不明なら避ける)
- 揉めたら「削除・訂正・謝罪」できる運用(意地で戦わない)
この“投稿前ルール”があるだけで、収益化の継続率は一気に上がります。伸ばす施策より先に、まず守りを固めるのが最短です。
リスク別:よくある失敗例と回避策
失敗1:PR表記を後ろに入れて埋もれる
回避策:本文1行目に【PR】。画像は1枚目にPR。ストーリーは最初のフレームで明示。
失敗2:拾い画像・漫画・他人の投稿を“参考”として転載
回避策:基本は自作。引用は条件が厳しいので、迷うなら要約で勝負。出典明示は徹底。
失敗3:二次創作を「自作だから安全」と思って収益導線に使う
回避策:公式ガイドラインが確認できない限り、収益化投稿の素材として使わない。オリジナル素材に寄せる。
失敗4:言い切りで煽って伸ばそうとして燃える
回避策:断定をやめて条件付きにする。「目的次第」「合う人は」で角を取る。
失敗5:個人情報が映り込む(通知バー・位置情報・背景)
回避策:投稿前に“映り込みチェック”をルーチン化。スクショは必ず上部を切る。
【保存版】SNS収益化リスク管理チェックリスト(投稿前・案件時・トラブル時)
投稿前チェック(毎回)
- PR/広告の可能性があるなら【PR】を冒頭に入れた
- 画像・動画・音源が自作か、利用規約上問題ない
- 引用は必要最小限で、引用箇所の区別と出所明示がある
- 二次創作を使う場合、公式ガイドラインの範囲内である
- 個人情報・位置情報・通知バーが映っていない
- 断定・誇張・対立煽り・晒しがない
案件(PR)時チェック
- 成果条件・掲載期間・二次利用(広告転用)・修正回数を事前に確認
- 広告表記の位置・文言を企業とすり合わせた
- 薬機法・景表法が絡むジャンルは、断定表現を避ける運用にした
- プレゼント企画を伴う場合、各SNSのルール・条件を事前確認した
トラブル時チェック
- 削除・訂正の判断を早めにする(意地で戦わない)
- 誤解が原因なら、短く訂正して終わらせる
- 誹謗中傷は反論せず、ブロック/通報で対応
- 著作権の申し立てが来たら、まずは該当投稿を非公開にして状況確認
まとめ:法律・規約は“全部覚える”より「投稿前チェック」で守る
SNS収益化のリスクは、炎上・著作権・ステマの3点が中心です。全部の法律や規約を暗記する必要はありません。大切なのは、毎回同じチェックをしてから投稿すること。
伸びる人ほど、投稿の品質だけでなく「事故らない仕組み」を先に作っています。今日からチェックリスト運用を始めましょう。
次にやること(3ステップ)
- ステップ1:この記事の「10秒確認テンプレ」をメモに保存し、投稿前に必ず見る
- ステップ2:PR表記ルールを自分の型に固定(本文冒頭【PR】+画像1枚目にも明示)
- ステップ3:素材運用を「自作中心」に切り替え、二次創作は公式ガイドラインが確認できる範囲だけにする
