SNSのPR案件の取り方|フォロワー0でも通る「提案材料」と媒体資料(メディアキット)テンプレ

結論:SNSのPR案件は「フォロワー数」より“提案材料(信頼+再現性+数字)”で取れます

「企業案件(PR)=フォロワー1万人から」というイメージは強いですが、実務ではフォロワー数だけで決まるわけではありません。企業が本当に見ているのは「この人に頼めば、炎上せずに、分かりやすく、成果に近い投稿を作ってくれそうか」という“提案材料”です。

実績ゼロでも、次の3つを揃えると案件化しやすくなります。

  • ジャンルの明確さ:誰に何を届けているか(ターゲット×テーマ)が1行で言える
  • 数字で説明できる:平均リーチ・保存・クリックなど「反応」を提示できる
  • 再現できる型がある:レビュー/比較/手順など、投稿の完成形が想像できる

この記事では、案件獲得の条件、単価の考え方、媒体資料(メディアキット)の作り方、企業への提案テンプレ、実績ゼロでも最初の1件を作るための具体手順まで、初心者向けにまとめます。

最初に大前提:PR表記(ステマ規制)を守らないと“案件以前”に詰む

PR案件は、投稿が広告・宣伝に該当するケースがあり、広告であることを隠す表示(いわゆるステマ)は景品表示法上の問題になり得ます。2023年10月1日から、ステルスマーケティングが景品表示法違反となる考え方が示されています。

初心者がやりがちな事故は「PR表記がない」「分かりにくい位置にある」「提供なのに触れていない」など。信用を失うだけでなく、企業側の審査で落ちる原因にもなります。

  • 投稿内に「PR」「広告」「プロモーション」「提供」など、関係性が分かる表記を入れる
  • 表記は読者が見落としにくい場所(冒頭付近、1枚目画像など)に置く
  • 誇大・断定表現は避ける(健康・美容・お金系は特に慎重に)

ここを徹底すると「クリーンに運用できる人」として、企業からの信頼が上がります。

PR案件の種類:あなたが狙うべきはどっち?(認知型/検討促進型)

「PR案件」と一括りにすると迷います。初心者はまず、案件の目的を2つに分けて理解すると判断が速くなります。

1)認知目的(インフルエンサー型)

  • 企業の狙い:知名度、話題化、UGC(口コミ)
  • 見られる指標:再生数、リーチ、シェア、コメント、フォロワー属性
  • 向く人:世界観・動画・拡散が得意

2)検討促進(レビュー/比較型)

  • 企業の狙い:購入・申込みに近い層に“判断材料”を渡す
  • 見られる指標:保存、滞在時間、クリック、プロフィール遷移
  • 向く人:比較、手順、体験談を丁寧に作れる

実績ゼロの初心者が取りやすいのは後者です。バズで勝負するより、「分かりやすい情報整理」で勝ちやすいからです。

案件獲得の条件:フォロワー数より「企業が欲しい3点セット」を揃える

企業が依頼するときの本音はシンプルです。「商品理解があって、安心して任せられて、投稿の完成度が読める人に頼みたい」。そのために必要なのが次の3点セットです。

条件1:ジャンルとターゲットが一瞬で分かる

プロフィールと直近投稿で「この人は何の人か」が伝わらないと、企業は提案を読まずにスキップします。最低限、次を整えます。

  • プロフィール1行目に「誰の悩みをどう解決」を書く
  • 固定投稿で「提供価値(投稿の型)」と導線を示す
  • 直近10投稿のテーマが散らからない

条件2:数字(インサイト)で“反応”を説明できる

フォロワーが少なくても、保存やクリックが強いアカウントは案件で評価されます。企業に刺さるのは「努力」ではなく「反応の証拠」です。

  • 平均リーチ(または平均再生)
  • 保存数/保存率(可能なら)
  • リンククリック数(プロフィール誘導の強さ)

※数字は盛らないのが鉄則です。推測で断定すると、後で信用を落とします。

条件3:コンテンツの型が見える(品質が読める)

企業は「お願いしたら、どんな投稿が上がるか」を想像したい。だから、あなたのアカウントに型があるだけで勝率が上がります。

  • レビュー型:良い点/微妙な点/向いている人/結論
  • 比較型:選び方→AとBの違い→結論
  • 手順型:初心者がつまずくポイントを手順書にする

単価の考え方:相場探しより「見積もりの軸」を持つ(損しないため)

PR単価はジャンル・媒体・工数・権利で大きく変わります。初心者が最初に作るべきは“相場の暗記”ではなく、値下げに飲まれないための基準です。

単価を決める要素(ここだけ押さえる)

  • 投稿形式:静止画/カルーセル/ショート動画/ライブ
  • 制作工数:撮影、台本、編集の重さ
  • 修正回数:無制限は危険(必ず上限を決める)
  • 二次利用:広告転用・Web掲載・店頭など(追加料金になりやすい)
  • 競合縛り:一定期間、競合案件NG(価値が上がる)

初心者向け・安全な値付けルール

  • 最低ライン:「工数(時間)×自分の基準時給」で計算して下回らない
  • 修正回数:基本は2回まで(以降は追加費用/追加納期)
  • 二次利用:最初から無料で渡さない(用途と期間を確認)

「安く受けて実績作り」自体は否定しませんが、条件が曖昧なまま安売りすると、修正地獄になりやすいので注意です。

媒体資料(メディアキット)の作り方:1〜2枚で“プロ感”を出すテンプレ

媒体資料は、案件獲得で最も費用対効果が高い武器です。「この人は仕事として進められる」と伝わるだけで返信率が上がります。デザイン凝りより、情報が一瞬で読めることが正義です。

媒体資料に入れる項目(1〜2枚でOK)

  • 基本情報:名前/肩書き(できること)/発信テーマ/連絡先
  • 読者像:ターゲット(例:30代会社員、在宅副業初心者など)※盛らない
  • 投稿サンプル:レビュー/比較/手順の“型が分かる”投稿を3つ
  • 主要指標:直近30日など一定期間の平均(リーチ、保存、クリック等)
  • 提供メニュー:対応可能形式(カルーセル/動画/ストーリーズ等)
  • 条件:修正回数、納期、二次利用、競合縛りの基本方針
  • 遵守事項:広告表記(ステマ規制)を遵守します、誇大表現は避けます

「遵守事項」にステマ規制(広告表記)を守る一文を入れると、企業側の安心感が上がります。

媒体資料の文章テンプレ(コピペ可)

発信テーマ:(例)忙しい会社員向けの時短・タスク管理
主な投稿:比較(選び方/ツール)・手順(設定/使い方)・体験談(失敗→改善)
強み:迷いを減らす「比較表」「チェックリスト」投稿が得意です(保存されやすい設計)
対応可能:カルーセル1本/ショート動画1本/ストーリーズ数本 など
条件:修正2回まで/二次利用は用途により別途/PR表記を明確にします

作成ツール

  • Canva(テンプレ豊富・最短)
  • Googleスライド(共有しやすい)

案件の取り方は4ルート:待つ・応募・提案・“練習”(初心者は混ぜる)

初心者は「依頼が来るのを待つ」だけだと時間がかかります。おすすめは4ルートを混ぜて、確率を上げることです。

ルート1:企業から依頼が来る(待ち)

強いですが時間がかかります。待つ間に「媒体資料」「固定投稿」「連絡先」を整え、依頼が来ても受けられる状態にします。

ルート2:募集に応募する(応募)

「アンバサダー募集」「レビュー募集」などに応募。通過率を上げるコツは、フォロワー数で戦わず、提案材料で戦うことです。

  • ターゲット一致(なぜ刺さるか)
  • 作れる投稿の型(3案)
  • 類似投稿のURL(完成形が想像できる)

ルート3:企業へ提案する(提案)

実は再現性が高い王道です。「商品理解+企画案」で勝てます。後述のテンプレを使えばOK。

ルート4:ASP等の“レビュー募集”で練習する(練習)

「いきなり企業提案は怖い」という人は、まずレビュー制作の練習を挟むとスムーズです。たとえばA8.netには広告主向けに「レビュー募集プログラム」がある旨が案内されています。

※これはPR案件(固定報酬)とは性質が異なる場合がありますが、「レビュー型投稿を作る→媒体資料に載せる→提案に転用する」という意味で、実績づくりの足場になります。

企業に刺さる“提案材料”7つ:フォロワーより効く武器

企業が欲しいのは「影響力っぽさ」より、失敗しない発注先の証拠です。提案時に強くなる材料は次の7つ。

  • 投稿サンプル3本:レビュー/比較/手順(完成形が見える)
  • インサイト:保存、クリック、平均リーチなど反応の証拠
  • 企画案3つ:切り口を3案出せる(相手が選べる)
  • 読者の悩み:コメント/質問の傾向(個人情報に注意して要約)
  • 制作条件:納期、修正回数、二次利用の扱いが明確
  • リスク配慮:PR表記、誇大表現回避、炎上回避の姿勢
  • 過去の類似制作:ブログ/別媒体でもOK(品質の証拠)

企業提案テンプレ:DM/メール(短く・でも材料は揃える)

提案は長いほど読まれません。最初は短く、でも「相手が判断できる材料」を入れます。

提案テンプレ(初回)

件名:PR投稿のご提案(○○の商品レビュー企画)

○○株式会社 ご担当者様

はじめまして。SNSで「○○(ジャンル)」を発信している○○(名前)と申します。
貴社の○○(商品/サービス)を拝見し、私の読者(例:○○で悩む○○層)に相性が良いと感じ、PR投稿をご提案いたします。

【ご提案内容】
・企画案:①比較(選び方/他社との差)②使い方手順(初心者向け)③体験レビュー(良い点/注意点)
・形式:カルーセル1本+ストーリーズ(任意)
・表記:投稿内に「PR/広告」等を明記し、誇大表現は避けます

媒体資料(1〜2枚):(URL/添付)

ご興味がございましたら、目的(認知/検討促進)や条件を伺い、最適な企画に調整いたします。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

署名:名前/SNSアカウントURL/連絡先

追撃は1回だけ(テンプレ)

「先日ご提案した件で、追加で企画案を1つ作成しました。読者の反応が良い切り口なので、もしよろしければご覧ください。(媒体資料URL)」

【コラム】企業取引とインボイス制度:聞かれることがあるので“前提”だけ知っておく

企業と直接契約して報酬を受け取る場合、インボイス制度の影響で「適格請求書発行事業者か(登録番号の有無)」を確認されるケースがあります。インボイス制度は2023年10月1日から開始されています。

ここは税務の判断が絡むため断定は避けますが、取引の現場で起きやすい話としては次の通りです。

  • 登録している場合:請求書に登録番号等の記載を求められることがある
  • 登録していない場合:企業側の事情で、報酬の条件(消費税相当分の扱い等)について相談される可能性がある

インボイスの登録・未登録のどちらが良いかは、売上規模や将来計画で変わります。ここは自己判断で無理に決めず、必要なら税理士など専門家や公的情報を確認してください。登録や手続の公式案内は国税庁のページが一次情報です。

よくある失敗5選と回避策(案件を取ってから揉めないため)

失敗1:フォロワーが増えるまで何もしない

回避策:フォロワーより提案材料を先に作る。投稿サンプル3本+媒体資料で動けます。

失敗2:PR表記が曖昧で信用を落とす

回避策:投稿内に「PR/広告/提供」を明確に。ステマを疑われる運用は長期的に損です。

失敗3:二次利用(広告転用)を無料で渡す

回避策:二次利用は用途・期間を確認し、条件を分ける。最初から無料にしない。

失敗4:修正無制限で沼る

回避策:修正は2回までなど上限を決める。追加は追加費用・追加納期。

失敗5:案件が欲しくて断定・誇大表現をしてしまう

回避策:言い切りや煽りはしない。「向いていない人」も書く方が結果的に信頼と成果が伸びます。

まとめ:チェックリストと次にやること

PR案件は、フォロワー数だけで決まりません。ジャンルの明確さ・数字・投稿の型という提案材料を揃えれば、実績ゼロでも十分に勝負できます。まずは「案件を取る」より「取れる状態」を作るのが最短です。

すぐできるチェックリスト(10分)

  • プロフィールで「誰の悩みをどう解決」が1行で言える
  • 固定投稿があり、投稿の型(レビュー/比較/手順)と導線が分かる
  • 投稿サンプルが3本ある(レビュー・比較・手順)
  • 媒体資料(1〜2枚)がある(CanvaでOK)
  • 平均リーチ/保存/クリックなど、見せられる数字がある(盛らない)
  • PR表記(ステマ規制)を遵守する方針を明記している
  • 修正回数・二次利用・納期の基本条件を説明できる
  • 案件獲得ルートを4つ(待ち/応募/提案/練習)で回す方針がある

次にやること(3ステップ)

  • ステップ1:レビュー/比較/手順の“案件っぽい投稿”を3本作る(完成形の見本を作る)
  • ステップ2:Canvaで媒体資料(1〜2枚)を作り、プロフィール・固定投稿・連絡先を整える(PR表記方針も入れる)
  • ステップ3:応募5本+企業提案5本+練習ルート(レビュー募集等)を回し、反応が良い切り口に寄せて改善する

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