結論:この記事で分かること
「Amazonから真贋調査の通知が来たけど、何を出せばいいの?」「手元にあるのはレシートだけ…これじゃダメって本当?」――Amazonせどり初心者にとって、真贋調査(しんがんちょうさ)はアカウント停止(垢BAN)に直結し得る最大級のイベントです。
結論から言うと、真贋調査は商品が本物でも、Amazonが求める形式の請求書(Invoice)を期限内に提出できなければ詰みます。特に小売店レシート運用は、真贋調査の突破が難しい(=停止リスクが高い)と理解しておく必要があります。
この記事では、真贋調査の流れ、Amazonが見ている請求書要件、レシートで詰まないための仕入れ設計、そして今日からできる台帳・書類管理の仕組み化まで、手順書としてまとめます。
そもそもAmazonの「真贋調査」とは?何が起きるのか
真贋調査は「偽物だと断定された」という意味ではなく、Amazonがマーケットプレイスの信頼維持のために行う書類提出を伴う確認(調査)として出てきます。きっかけは主に次の2つです。
- 購入者からの申告:商品が本物に見えない、説明と違う、など
- 無作為抽出(ランダムピックアップ)/ランダムチェック:「何もしてないのに来た」と感じやすいタイプ
通知が来ると、対象ASINについて「仕入れを証明する書類(請求書等)」「仕入れ先情報」などを求められ、期限内に出せないと出品停止・アカウント健全性の悪化・売上金の保留など、運用に大きな影響が出る可能性があります(通知文面はケースごとに異なります)。
真贋調査で怖いのは、“書類の試験”になりやすい点です。商品が本物でも、要件を満たす書類を出せないと通りません。
真贋調査の全体の流れ:通知が来たらこの順番で動く
パニックにならないために、初動の順番を固定してください。
1)通知(パフォーマンス通知/ケース)で「要求内容」を正確に読む
- 対象ASIN
- 提出期限
- 提出先(ケース内アップロード等)
- 必要書類の種類(Invoice、領収書等の指定)
- ファイル形式(PDF/画像など)
まずは「何を」「いつまでに」「どこへ」「どんな形式で」出すのかを確定させます。ここを読み違えると、正しい書類を用意しても提出が間に合わないことがあります。
2)対象ASINごとに「仕入れ書類」を紐付ける
ここで詰まる人が多いです。Amazonは「その商品を、どこから、いつ、どれだけ仕入れたか」を見ます。したがって、請求書には仕入れ先情報と商品明細・数量が揃っている必要があります。
3)書類要件チェック→不足があれば仕入れ先へ再発行依頼
要件不足のまま出すと却下され、時間だけが減ります。足りない項目は次章のチェックリストで確認し、足りないなら仕入れ先に“項目入りで”再発行を依頼します。
4)提出用に整える(ただし「改変」はしない)
提出ファイルは読みやすさが命ですが、編集して作り直したり、必要情報を隠しすぎたりすると不利になり得ます。基本は原本をスキャン/撮影してPDF化し、必要情報が判読できる状態で提出します。
5)POA(改善計画)が必要な場合は、同時に用意する
通知タイプによっては、書類提出に加えて改善計画(POA)が求められる場合があります。POAは長文テンプレ暗記よりも、3要素で整理するのがコツです(後半で具体化します)。
請求書(Invoice)で詰まる理由:Amazonが見ている「必須要件」
真贋調査に強い人ほど、請求書を「Amazon仕様」で整えています。ここでは、一般に求められやすい項目をチェックリスト化します。
請求書に入っているべき項目(チェックリスト)
- 発行日:通知前の一定期間内(例:過去365日以内)が求められるケースが多い
- 仕入れ先(サプライヤー)の情報:会社名、住所、電話番号、(可能なら)Webサイトやメール
- 購入者(あなた)の情報:会社名(屋号)・住所など(宛名があなたになっている)
- 商品明細:商品名、型番、JAN/UPC等の識別情報(ASINと紐付けるため)
- 数量:販売数・在庫数と整合するだけの数量(不足すると説明が難しい)
- 請求書番号/注文番号:追跡できる情報(あると強い)
やりがちなNG:黒塗り・編集・“作り直し”
個人情報や取引条件が心配で黒塗りしたくなりますが、過剰な黒塗りは「必要情報が確認できない」扱いになりやすいです。また、ExcelやWordで作り直した請求書は、改変疑いを招く原因になります。
- 黒塗りは最小限に(許容範囲は通知文面の指示に従う)
- 編集して作り直さない(原本スキャンが基本)
- ピンボケ、欠け、暗すぎる写真は避ける(判読できることが最重要)
【最重要】レシート運用の現実:真贋調査では原則NGと考える
ここは誤解が一番危険なので、はっきり書きます。
小売店のレシート(コンビニ・量販店のレシート等)は、真贋調査で求められる「請求書(Invoice)」として通らない可能性が高いです。近年は審査が厳格化しやすく、レシートや手書き領収書が即時却下されるケースも語られます。
レシートが弱い理由は、Amazonが見たいポイント(仕入れ先の連絡先情報・商品明細の識別情報・あなた宛の正式な体裁)が揃いにくいからです。結果として、レシート中心の仕入れを続けていると、真贋調査が来たときに「商品が本物でも書類で詰む」リスクが跳ね上がります。
レシートしかない場合の“現実的な判断”
レシート運用のまま「頑張れば通るかも」と粘るほど、失うもの(アカウント健全性、時間、資金繰り)が大きくなります。レシートしか出せないASINは、原則として次の方針を検討してください。
- 対象ASINの追加仕入れ・追加出品を止める
- 今後は請求書が出る仕入れ先へ切り替える
- (ケース次第)在庫を動かす前に、提出可能書類の見込みを冷静に判断する
※最終判断は通知文面の要求(提出書類の種類・期限・状況)を優先してください。
「請求書(Invoice)」「領収書」「レシート」の違い:どれが強いか
Amazonが求めるのは、基本的にサプライヤー(仕入れ先)から発行された請求書です。初心者はこの前提を崩さないのが安全です。
| 書類 | 真贋調査での強さ | 詰みポイント | 初心者の結論 |
|---|---|---|---|
| 請求書(Invoice) | 最強(要件を満たせば通しやすい) | 仕入れ先情報・明細・日付・数量が欠けると却下されやすい | 卸・メーカー・正規ディストリから「項目入り」で必ず取得 |
| 領収書(明細付き) | 中(内容次第) | 明細や仕入れ先情報が弱いと不十分になりやすい | 可能なら「納品書(明細)」とセットで保管 |
| 小売店レシート | 弱い(突破困難になりやすい) | Invoice要件(仕入れ先連絡先・体裁・宛名・明細)が揃いにくい | 原則NG前提で、請求書が出る仕入れへ移行 |
補足:ここでいう「インボイス」は、税務の制度(適格請求書)の意味と混同されがちです。この記事では、あくまでAmazon提出用の仕入れ証明としての請求書(Invoice)の話として扱います(税務判断が必要な場合は税理士等へ相談してください)。
準備が9割:真贋調査に強い「書類管理の仕組み化」
真贋調査は、通知が来てからの対応力よりも、普段の仕入れ設計で勝敗が決まります。
準備1:仕入れ先を「請求書が出るところ」中心に寄せる
- 卸・メーカー・正規ディストリ(請求書発行が前提)
- フリマ・個人取引は、真贋調査が来たときに詰みやすい
- ブランドやカテゴリによっては追加の許可・証明が求められる場合があるため、扱う商品を絞る
準備2:請求書を「Amazon提出に耐える項目」で発行してもらう
ポイントは、後から「項目が足りない」と気づいて再発行に走らないことです。仕入れ先に最初から「この項目を入れてください」を伝えるのが安全です。
【コピペOK】請求書 再発行(項目追加)依頼メールテンプレ
件名:【重要】請求書(または納品書)再発行のお願い(注文番号:XXXXXX)
本文:
〇〇株式会社 ご担当者様
いつもお世話になっております。先日購入いたしました下記商品につきまして、経理処理および在庫管理の都合上、詳細な記載のある請求書(または納品書)が必要となりました。
大変お手数ですが、以下の項目を記載した書類をPDFにて再発行いただけないでしょうか。
- 発行日
- 貴社の会社名・住所・電話番号(可能であればメール/Webサイト)
- 弊社(購入者)の宛名(フルネーム/屋号)・住所
- 商品ごとの明細(商品名、型番/JANコード、数量)
- (可能であれば)請求書番号/注文番号の記載
※特に「商品明細(型番/JAN)」の記載が必要です。
ご多忙の折恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
準備3:「ASIN→請求書」を1分で引ける台帳を作る
スプレッドシートで十分です。最小構成はこれだけでOK。
- ASIN
- 商品名(型番/JAN)
- 仕入れ先名
- 請求書番号
- 発行日(仕入れ日)
- 仕入れ数量
- PDFの保管場所(フォルダ/ファイル名)
真贋調査は「対象ASINの請求書をすぐ出せるか」が勝負です。
準備4:PDF保管ルールを固定する(命名の型)
例:
- 2026-01-10_仕入先名Invoice123商品名JANxxxxxxxx数量10.pdf
探す時間をゼロにするために、命名ルールは必ず固定してください。
通知が来た当日:対応手順(チェックリスト)
焦って長文で言い訳するほど不利です。要件を満たす書類を揃え、淡々と提出が基本です。
当日の対応手順
- Step1:通知をスクショ&全文保存(対象ASIN/期限/提出物/形式)
- Step2:台帳で対象ASINを検索→請求書を特定
- Step3:請求書の要件チェック(期間、仕入れ先連絡先、明細、数量)
- Step4:不足があれば仕入れ先へ即依頼(再発行・項目追加)
- Step5:原本をスキャンしてPDF化(判読できる品質で)
- Step6:ケースにアップロード+短文で要点だけ添える
提出時のメッセージ例(短く・事実のみ)
- 「対象ASIN:XXXXについて、仕入れ先:〇〇より発行された請求書(発行日:YYYY/MM/DD、数量:〇個)を添付します。ご確認をお願いいたします。」
POA(改善計画)が必要なとき:3大要素だけ押さえる
真贋調査や真贋系の通知で、改善計画(POA)の提出を求められる場合があります。長文テンプレを暗記するより、次の3要素で整理するとブレません。
POAの3大要素
- 根本原因(Root Cause):なぜ問題が起きたのか(例:請求書要件を満たさない仕入れ先を使っていた/ASINと請求書の紐付けができていなかった)
- 是正措置(Corrective Actions):今回の問題をどう解消したか(例:対象ASINの出品停止、請求書の再発行依頼、該当在庫の隔離)
- 再発防止(Preventive Measures):今後どう防ぐか(例:請求書要件チェックの仕組み化、台帳運用、仕入れ先の選定基準の変更)
POAは「気合い」より「運用変更の具体性」が重要です。誰が、いつ、何をチェックするかまで落とすほど強くなります。
よくある失敗5選と回避策
失敗1:期限ギリギリまで放置して、再発行が間に合わない
回避策:通知を見た瞬間に、台帳→請求書確認→不足があれば仕入れ先へ依頼、まで一気に進める。
失敗2:黒塗りしすぎて「必要情報が確認できない」
回避策:通知文面の指示を最優先。迷うなら黒塗りを最小限にし、原本スキャンで提出する。
失敗3:ASINと請求書明細が一致しない(型番/JANがない)
回避策:最初から「型番/JAN入りで発行」を仕入れ先に依頼し、台帳にも型番/JANを残す。
失敗4:数量が足りない(販売数に対して仕入れ数が不足)
回避策:台帳で「仕入れ累計」と「販売数」を見える化し、説明できる状態にする。
失敗5:レシートしかなく、長期戦に突入して疲弊
回避策:レシートは真贋調査では弱い前提に切り替える。今後は「請求書が出る仕入れ」に移行し、同じ事故が起きない運用に作り直す。
まとめ
Amazonの真贋調査は、商品が本物でも要件を満たす請求書(Invoice)を出せなければ詰むのが怖いところです。だからこそ、初心者が最優先でやるべきは「書類が出せる仕入れ」に寄せ、ASIN→請求書を即出せる台帳を作ることです。
特に小売店レシート運用は突破が難しい(=停止リスクが高い)ため、最初から「レシートで戦わない設計」に変えるほど、真贋調査への恐怖は現実的に下がります。
次にやること(3ステップ)
- ステップ1:スプレッドシートで「ASIN→請求書」台帳を作り、手持ち在庫から埋める
- ステップ2:仕入れ先に「Amazon提出に耐える請求書(項目入り)」を出せるか確認し、仕入れ先を整理する
- ステップ3:PDF保管ルール(命名・フォルダ)を固定し、次回仕入れから必ず保存する
