結論:この記事で分かること
「ある日突然、Amazonのアカウントが止まったらどうしよう…」
せどり初心者にとって最大の不安は、警告に気づかず放置してしまうことです。ですが、Amazonには“ここを見ておけば早期発見できる”ページがあります。それがアカウント健全性ダッシュボードです。
この記事では、難しそうなダッシュボードの見方を「毎日5分で終わるチェック手順」として解説します。さらに、警告が出たときの初動(最初に何を止めて、何を確認するか)まで、初心者が迷わない形でまとめます。
なぜ「アカウント健全性ダッシュボード」を毎日見るべきなのか
Amazonのトラブルは、売上が落ちるだけでなく、出品停止・販売停止などの大きなダメージに発展する可能性があります。
そして怖いのは、トラブルが起きた時に「原因を探す」より、まず「今すぐやるべき対応(期限・対象ASIN・指示内容)」を把握しないといけない点です。
ダッシュボードを毎日見る価値は、次の3つです。
- 警告・違反の見落としを減らせる(気づくのが早いほど手が打てる)
- どの種類の問題かを切り分けやすい(規約違反なのか、出荷トラブルなのか)
- 改善の優先順位が決まる(重要度の高いものから潰せる)
最初に押さえる:画面は「3つの枠」で理解すると迷わない
アカウント健全性ダッシュボードは、細かい項目名が変わっても、基本は3つの枠(エリア)で捉えると分かりやすいです。
左:カスタマーサービスのパフォーマンス
- 注文不良率(ODR)が中心(低評価、A-to-z保証申請、チャージバック等を含む考え方)
ここは「お客様トラブルが増えてないか」の監視エリアです。
中央:規約の遵守(ポリシー)+アカウント健全性スコア(AHR)
- アカウント健全性スコア(AHR)(色・点数)
- ポリシー違反(知的財産権、禁止商品、商品情報、コンディションなど)
ここは「規約違反・違反予備軍がないか」を見るエリアです。
右:出荷パフォーマンス
- 出荷遅延率(LSR)
- 出荷前キャンセル率
- 追跡可能率(VTR)
ここが初心者が崩しやすいエリアです。特に「キャンセル率は出荷パフォーマンス側」として扱われる点を押さえてください。
毎日5分でOK:初心者向け“固定のチェック順”(これだけで混乱が減る)
おすすめは、毎日同じ順番で見ることです。順番を固定すると、変化に気づきやすくなります。
- ①AHR(スコアと色):昨日から下がっていないか
- ②中央の「規約の遵守」:要対応・警告が出ていないか(重要度が高いものがないか)
- ③右の「出荷パフォーマンス」:LSR/キャンセル率/VTRが悪化していないか
- ④左の「ODR」:悪化していないか(低評価や保証申請の兆候)
- ⑤パフォーマンス通知:期限つきの指示がないか
毎日メモするなら「差分」だけで十分
初心者が記録すべきは、難しい分析ではなく次の2つだけです。
- AHR:昨日→今日で動いたか(例:250→240)
- 警告:新しく出た項目があるか(どの枠で出たか)
“変化”が見えれば、初動が速くなります。
アカウント健全性スコア(AHR)の見方|点数より「下がり方」が重要
アカウント健全性は、一般に0〜1,000のスコアで見える化されています。新規出品者は「200」付近からスタートする仕様として案内されることが多く、そこから違反や対応状況により増減します。
色の目安(まずはここだけ覚える)
- 緑(健全):200〜1,000
- 黄(リスクあり):100〜199
- 赤(不健全):0〜99
危険なのは「急落」と「繰り返し」
初心者が特に警戒すべきは次の2パターンです。
- 昨日まで問題なかったのに急に下がった(新しい違反や検知が発生した可能性)
- 同じ種類の問題が繰り返し出る(ルールや運用が根本的にズレているサイン)
緑でも安心しきらない
実務上、スコアが緑でも「放置していい」とは限りません。大事なのは、中央(規約)に要対応が出ていないか、通知に期限がないかです。
中央:規約の遵守(ポリシー違反)の見方|“増やさない”が初動の鉄則
規約の遵守で見るべきポイントは3つです。
1)要対応マーク(警告)が出ていないか
ここに警告があるなら、今日の最優先タスクは確定です。忙しい日は、他の分析より先にここを潰してください。
2)対象(どの商品・どの出品)が原因か
多くの場合、対象ASINや、問題の種類(知的財産権・コンディション・商品情報など)が示されます。まずは「原因の特定」が最優先です。
3)初動は「申し立て」より先に“被害拡大を止める”
文章を頑張る前に、まずは同じ問題を増やさないことが重要です。
- 対象ASINの出品を一時停止する
- 商品説明・コンディション表記・画像など、原因になりそうな点を修正する
- 仕入れルートが弱い商品は追加で出さない
初動で「増やさない」を徹底すると、後からの対応がラクになります。
右:出荷パフォーマンスの見方|LSR・キャンセル率・VTRは“運用の型”で改善する
出品者出荷がある人は、ここがアカウント健全性の“崩れやすいポイント”になります。特に、出荷前キャンセル率は「お客様都合」ではなく、出品者側の運用(在庫ズレ・欠品・対応遅れ)で上がりやすいので要注意です。
出荷遅延率(LSR)が悪化しやすい原因
- 発送はしたが、出荷確定が遅れた
- 忙しくて、当日処理が翌日にズレた
- 休日や締め時間の設計が甘く、間に合わない注文が発生
出荷前キャンセル率が悪化しやすい原因
- 在庫の二重販売(他販路・手入力ミス)
- 仕入れ後に検品したら不良で出せなかった
- 出荷できず、期限に間に合わないためキャンセル
追跡可能率(VTR)で詰まりやすい原因
- 追跡なし配送を混ぜている
- 追跡番号の入力ミス・入力遅れ
- 追跡が反映されにくい配送を使っている(条件や連携の相性)
出荷パフォーマンスの改善は「設定」と「手順」を固定するのが最短
- 締め時間を前倒し(当日発送の注文受付を自分の生活に合わせる)
- 出荷作業=出荷確定まで(発送したら終わり、にしない)
- 追跡あり配送を基本にする(トラブル時の説明コストも下がる)
- 在庫更新のルールを決める(仕入れ→出品の前に在庫整備)
左:カスタマーサービスのパフォーマンス(ODR)の見方|火種は「コンディション」と「説明不足」
ODR(注文不良率)は、初心者が“原因の特定”で迷いやすい指標です。体感としては、次の2つを改善するのが効きやすいです。
ODRを悪化させやすい典型パターン
- コンディションの認識ズレ(新品と中古、ほぼ新品、付属品、外箱の状態など)
- 説明不足(型番違い、対応機種違い、欠品、傷の記載不足)
- 梱包不備(破損、濡れ、緩衝不足)
ODRを下げる“現実的な初動”
- 原因が多い商品は、いったん出品を止める(短期での被害拡大を防ぐ)
- 出品ページの説明を増やす(欠品・傷・動作確認・対応機種)
- 梱包の標準手順を作る(緩衝材、濡れ対策、封緘)
見落とし厳禁:パフォーマンス通知は「期限」と「指示」を見る
ダッシュボードとセットで必ず確認したいのがパフォーマンス通知です。通知には、追加情報の提出や、回答ボタンからの返信が必要なケースがあります。
通知を見たら最初に確認する3点
- 期限(いつまでに)
- 対象(どのASIN・どの注文)
- 指示(何を提出・修正・説明するのか)
初心者がやりがちなのは「読んで安心して終わる」こと。通知は“タスク表”として扱ってください。
【コラム】大口出品なら「今すぐ電話がほしい」ボタンが出ることがある
大口出品(プロフェッショナル)など条件によっては、アカウント健全性ページ内に「今すぐ電話がほしい(Call Me Now)」のような導線が表示され、アカウント健全性担当(スペシャリスト)に連絡できるケースがあります。
強力な点は、状況の整理が速いことです。特に「何を出せばいいか」「どこから対応すればいいか」で迷ったときに有効です。
ただし、表示の有無や利用条件はアカウント状況・マーケットプレイス・時期などで変わる可能性があります。ダッシュボードに出ている場合のみ、選択肢として覚えておくのが安全です。
【目標】アカウント健全性アシュアランス(AHA)を“ゴール”にすると守りが強くなる
アカウント健全性には、条件を満たした出品者向けに「アカウント健全性アシュアランス(AHA)」という制度が案内されることがあります。
ざっくり言うと、停止の前に連絡を受けられる(いきなり停止になりにくい方向の運用)を目指すための仕組みとして紹介されることが多いです。
よく言われる目安(ただし条件は変わり得ます)
- AHRが250以上を一定期間維持(例:6か月など)
- 一定の要件(販売実績、重大な違反がない等)
大事なのは、AHAは「申し込みに行く」というより、対象者にダッシュボード上で案内が表示されるタイプとして理解しておくことです。表示条件は変更される可能性があるため、最終的には自分のアカウントで表示される内容に従ってください。
具体例:警告に早く気づいて“初動で立て直す”手順
あなたが自己発送中心で、発送件数が増えてきたタイミングを想定します。
- 状況:AHRは緑だが、右の出荷パフォーマンスに警告が出た
- 心当たり:繁忙で、出荷確定が翌日にズレた日があった
- 不安:「このまま停止になるのでは?」
このときの最短手順は次の通りです。
- 1)右の出荷パフォーマンスで、どの指標が悪化したか特定(LSRか、キャンセル率か、VTRか)
- 2)今日から“増やさない設定”に変更(当日出荷締め前倒し、ハンドリングタイム調整、追跡あり配送へ寄せる等)
- 3)パフォーマンス通知に期限つき指示がないか確認(あれば先に対応)
- 4)1週間は日次で推移をメモ(いつ何を変えたか残す)
ポイントは、完璧な文章を書くより先に、数字が悪化する行動を止めること。これが初動の最優先です。
よくある失敗5選と回避策(初心者がハマりやすい)
失敗1:メールだけ見て、ダッシュボードを見ない
回避策:毎日5分でいいので「AHR→規約→出荷→ODR→通知」の順で点検を固定。
失敗2:緑だから放置して、問題を繰り返す
回避策:色よりも「要対応が出ていないか」「同じ種類の問題が続いていないか」を重視。
失敗3:軽そうな項目から手を付けて、重要な警告を後回しにする
回避策:中央(規約)で要対応が出ていたら最優先。次に出荷パフォーマンス。
失敗4:発送はしたのに、出荷確定・追跡入力が遅れる
回避策:作業の定義を「出荷確定まで」にする。出荷締め時刻を前倒し。
失敗5:在庫ズレでキャンセルが増える
回避策:在庫更新のルール化(いつ、どのタイミングで、どこを更新するか)を先に作る。
まとめ:チェックリストと次にやること
アカウント健全性ダッシュボードは、初心者の「警告の見落とし」を減らす最強の安全装置です。毎日見るべきは、AHR(スコア)、規約の遵守、出荷パフォーマンス(LSR/キャンセル率/VTR)、ODR、パフォーマンス通知の5点。異常が出たら、まず“増やさない”対策を入れてから、必要な対応に進んでください。
すぐできるチェックリスト(毎日5分)
- AHR(スコアと色)が昨日より下がっていない
- 中央の「規約の遵守」に要対応が出ていない
- 右の出荷パフォーマンス(LSR/出荷前キャンセル率/VTR)が悪化していない
- 左のODRが悪化していない(低評価・トラブルの兆候が増えていない)
- パフォーマンス通知に「期限つきの指示」がない
次にやること(3ステップ)
- ステップ1:セラーセントラルの「アカウント健全性」をブックマークし、毎日同じ時間に開く
- ステップ2:「AHR→規約→出荷→ODR→通知」の順で点検し、異常があれば“増やさない設定”(出品停止・設定見直し・追跡運用の固定など)を即日入れる
- ステップ3:変更した日付と内容をメモし、1週間は日次で推移を記録(再発防止の型が作れる)
