「最初は投稿作成だけのはずだったのに、気づけば企画も返信も分析も……」
SNS運用代行で一番多い事故は、スキル不足ではなくスコープ未定義です。
本記事では、契約前に業務範囲(スコープ)をテンプレで明文化し、追加依頼で崩壊しないための「やること/やらないこと/超過時のルール」までまとめます。
ポイント:スコープは「やること」より「やらないこと」を先に書く
- やること(Included):納品物と回数・上限を数で定義
- やらないこと(Excluded):揉めやすい作業を最初に除外
- 超過時の対応ルール:追加料金・納期・特急対応を明文化
まず分ける:SNS運用代行の業務は「5ブロック」で整理する
- 戦略・企画(コンセプト、投稿方針、企画案)
- 制作(台本、画像/動画編集、キャプション、ハッシュタグ)
- 運用(投稿作業、予約投稿、プロフィール改善)
- コミュニケーション(DM/コメント返信、定例、連絡)
- 分析・改善(レポート、改善提案、テスト)
契約書や見積書は、このブロックごとに「含む/含まない」を決めると破綻しません。
必須:スコープは「回数」「上限」「締切」を数値化する
- 投稿本数:月◯本
- 修正回数:2回まで(3回目以降は追加)
- 定例:月1回/30分
- 初稿提出:素材受領後◯営業日
- 素材提供期限:クライアントが毎週◯曜日まで
- 返信目安:平日24時間以内
テンプレ:スコープ定義(やること/含む作業)
以下はコピペして置換して使えます。
1)対象媒体・対象アカウント
- 対象:Instagram(フィード/リール/ストーリーズ)
- 対象アカウント:@xxxxxx(1アカウント)
- 運用目的:認知/来店/リード獲得(いずれか)
2)制作(納品物)
- 投稿企画案:月◯本(タイトル案+狙い+参考)
- フィード投稿:月◯本(画像◯枚+キャプション)
- リール(15〜30秒):月◯本(台本+編集+キャプション)
- ハッシュタグ選定:各投稿に付与(上限◯個)
- サムネ作成:リール◯本分
3)運用(投稿・予約)
- 投稿作業:週◯回(◯曜日)
- 予約投稿:対応(Meta Business Suite 等)
- プロフィール最適化:初月1回+以後月1回見直し
4)ストーリーズ運用(揉めやすいので必ず明記)
- ストーリーズ投稿:範囲外(必要に応じてオプション)
- または:ストーリーズ月◯本(リポストのみ/テンプレ対応)
- ハイライト整備:初月◯回(以後は別途)
5)分析・改善
- 月次レポート:月1回(KPI:リーチ/保存/クリック等)
- 改善提案:月1回(次月の打ち手◯件)
6)コミュニケーション
- 定例MTG:月◯回(30分/オンライン)
- 連絡手段:Chatwork/Slack/メール(いずれか)
- 返信目安:原則24時間以内(平日)
テンプレ:「やらないこと(除外項目)」の書き方
- 広告運用(Meta広告等):本契約の範囲外(別途見積)
- 撮影(出張撮影・物撮り):範囲外(素材はご提供)
- モデル手配・キャスティング:範囲外
- DM・コメント返信の代行:範囲外(対応する場合は月◯件まで)
- 炎上・クレーム対応:範囲外(一次対応はクライアント)
- 即日対応(当日修正・当日投稿):原則不可(特急は別料金)
- LP/HPの制作・改修:範囲外(提案は可)
- 規約違反・違法行為に該当する運用:対応不可(自動いいね等のツール利用含む)
コツ:除外は冷たく見えないように、「別途見積で対応可」や「素材提供があれば対応可」を添えると通りが良いです。
修正回数の線引きテンプレ(崩壊防止)
- 修正は2回まで料金内(文言・軽微なデザイン調整)
- 3回目以降:1回あたり◯円、または時間課金(◯円/時)
- 方向転換(訴求軸/構成の大幅変更)は新規制作扱いで別途見積
- 修正依頼はまとめて提出(小出しNG)
超過時の対応ルール(追加依頼で崩れないための規定)
- 月の稼働上限:◯時間/月(超過分は追加見積)
- 定例以外のMTG:月◯回まで(超過は追加)
- 急ぎ対応:48時間以内の依頼は特急料金(+◯%)
- 成果保証:フォロワー増・売上の保証はしない(運用改善の提供)
素材提供の遅延ルール(疲弊を防ぐ)
- 素材(画像・情報・確認)が期限までに揃わない場合、投稿日は後ろ倒しになります
- 土日祝の作業は行いません(特急対応は別途)
重要:著作権・知的財産権(納品物の権利帰属)テンプレ
ここを決めていないと、契約終了後に「投稿を削除して」「素材を返して」などのトラブルになりやすいです。
権利帰属(例:譲渡型)
- 納品物(画像・動画・台本・キャプション等)の著作権は、検収および代金支払い完了時点で譲渡します
- 著作者人格権は行使しないものとします
- ただし、Canva等のテンプレート・有料素材・フォント・BGMなど、第三者素材の権利は各サービス規約に準拠します(素材自体の譲渡はできません)
権利帰属(例:利用許諾型)
- 納品物の著作権は制作者に帰属し、クライアントは契約期間中および契約終了後も継続して利用できるものとします
- 再編集・二次利用・広告転用などの範囲は別途定義します(例:広告転用は追加料金)
どちらを選ぶかで単価が変わるため、最初に合意しておくのが安全です。
コピペOK:スコープ定義(短文版/見積書・提案書向け)
業務範囲:Instagram運用代行(投稿企画、投稿制作、予約投稿、月次レポート、定例MTG)
納品:フィード月◯本/リール月◯本(キャプション・ハッシュタグ含む)
ストーリーズ:範囲外(または月◯本/リポストのみ)
修正:1投稿あたり2回まで料金内(3回目以降は別途)
除外:広告運用・撮影・DM返信代行・炎上対応・即日対応・サイト制作は範囲外(必要に応じ別途見積)
前提:素材は◯曜日までにご提供、素材受領後◯営業日で初稿提出(遅延時は投稿日後ろ倒し/土日祝作業なし)
権利:納品物の著作権は検収・支払い完了後に譲渡(第三者素材の権利は各規約に準拠)
まとめ:スコープ定義は「自分とクライアントを守る設計図」
スコープを決めるのは断るためではなく、成果を出すための前提づくりです。
「やらないこと」を明記できるほど、提供する範囲の品質が上がり、結果として長期契約につながります。
