「投稿1本いくらで受けたらいいか分からない」問題は、センスではなく見積もりの型で解決できます。
計算式はこうなります。
- 投稿単価(税抜)=(合計作業時間 × あなたの時給)+(進行管理費)
ポイントは、作業を工数分解して、実測で時間を確定させることです。
まず決める:あなたの「最低時給」を固定する
単価は「相場」より先に、あなたの赤字ライン(最低時給)を決めます。
- 最低ライン:1,500〜2,000円/時(副業・未経験の現実的な下限になりやすい)
- 目標ライン:2,500〜4,000円/時(慣れてきたらここを目指す)
※ここでの「時給」は、制作時間だけでなく連絡・修正・確認・学習などの間接時間も含めた“事業の時給”です。
工数分解テンプレ:投稿1本を「6工程」に割る
見積もりは、投稿作成を次の6工程に分けるとブレません。
- 要件確認(目的/KPI、トンマナ、NG表現、納品形式、締切)
- リサーチ(競合、一次情報、素材、引用可否チェック)
- 構成(ネタ出し、フック、流れ、CTA設計)
- 制作(本文作成、デザイン、画像/動画編集、ハッシュタグ)
- セルフチェック(誤字、リンク、数値、著作権、PR表記)
- 修正対応(想定回数を決めて時間に入れる)
時間の測り方:ストップウォッチ方式が一番ズレない
「体感」だと必ずズレます。最初の10本だけでいいので、工程ごとに実測してください。
- スマホのタイマーでOK(工程開始でスタート、工程終了でストップ)
- 工程ごとにメモ(例:リサーチ18分、構成12分…)
- 3本分の平均を取る(1本だけだとブレる)
おすすめ:最初は遅くなりやすいので、見積もりは平均×1.2(安全側)で置いておくと事故りにくいです。
進行管理費(ディレクション費)の入れ方:10〜20%が通りやすい
見積書に「調整費」と書くと、意味が曖昧で値引き交渉の対象になりがちです。
実務では、連絡・スケジュール調整・軽微な手戻り吸収の費用は「進行管理費」または「ディレクション費」として示すのが一般的です。
- 進行管理費:制作費(=時間×時給)の10〜20%
※内訳例:「連絡・進行管理・軽微な調整工数を含む」
具体例:Instagramフィード投稿の見積もり計算(1本4,000円の根拠)
例:Instagram用フィード投稿(画像1枚+本文+ハッシュタグ)
- 要件確認:10分
- リサーチ:20分
- 構成:10分
- 制作:40分
- セルフチェック:10分
- 修正対応(1回想定):20分
合計:110分(=1.83h)
最低時給を2,000円にすると…
- 制作費:1.83h × 2,000円 = 3,660円
- 進行管理費(10%):+366円
- 小計(税抜):約4,000円
このケースなら、赤字回避ラインとして「投稿1本4,000円(税抜)〜」が目安になります。
税金・インボイスで揉めないための一文(テンプレ)
見積もりや請求でのトラブルは、最初に一文入れておくと激減します。
- 消費税の扱い:「※消費税は別途申し受けます(税抜表示)。」
- インボイス:「※適格請求書発行事業者(インボイス)登録の有無により、請求方法をご相談させてください。」
※発注側が課税事業者の場合、インボイスの扱いを気にするケースが増えています。最初に方針をすり合わせるのが安全です。
単価が崩れる原因トップ3(見積もりで先に潰す)
- 素材待ち(画像/情報が来ない、確認が遅い)
- 修正が無限(回数が決まっていない)
- 仕様が曖昧(「いい感じで」→手戻り地獄)
対策は「条件」として見積もりに書きます。
備考欄テンプレ(コピペOK)
- ※修正は2回まで料金内、3回目以降は別途お見積もり
- ※素材(画像・原稿・参考URL)はご提供後に制作開始します
- ※素材受領から3営業日以内に初稿提出(目安)
- ※大幅な方向転換(訴求軸の変更等)は追加費用の対象
投稿タイプ別:工数の目安(最初の見積もりの当て)
慣れるまでの“ざっくり”目安です(最終的にはあなたの実測で更新してください)。
- テキスト投稿(Xなど):20〜60分
- 画像1枚フィード:60〜120分
- カルーセル(5〜10枚):150〜300分
- ショート動画(15〜30秒):180〜420分(企画〜編集〜修正込み)
※「編集のみ」なのか「企画・台本込み」なのかで工数は大きく変わります。依頼範囲を最初に固定しましょう。
内訳付きで出すと、価格交渉が通りやすい
「投稿1本○円」だけだと高く見えます。内訳を出すと、クライアントの納得感が上がります。
提示例(コピペOK)
- 要件確認:10分
- リサーチ:20分
- 構成:10分
- 制作:40分
- チェック:10分
- 修正1回:20分
- 合計:110分(1.83h)× 時給2,000円 = 3,660円
- 進行管理費(10%):366円
- 小計(税抜):4,026円 → 4,000円(税抜)
- ※消費税は別途申し受けます
- ※修正2回まで料金内
単価を上げる(または時間を減らす)2つの方向
- 時間を減らす:テンプレ化(構成/文体/デザイン)、素材フォルダ整備、チェックリスト固定
- 価値を上げる:投稿だけでなく「CTA設計」「数値改善提案」「運用レポ」「投稿カレンダー」まで含める
最後に:最初の10本は「実測→更新」で単価表が完成する
見積もりは一発で当たりません。10本だけ時間を測って平均化すれば、あなた専用の単価表ができます。
赤字で消耗しないために、今日から「工程ごとにタイマー」を回してみてください。

