「AIで動画を作ってみたけど、なんかチープでパッとしない…」
「気になるところを直そうとしたら、いつの間にか2時間経っていた…」
そんな「手直し地獄」にハマっていませんか?結論から言うと、AI動画が素人っぽく見える原因は、あなたのセンス不足ではありません。原因は“編集のバランス設計”がないことです。
AIに任せる範囲が曖昧なままだと、統一感のない映像・読みにくい字幕・安っぽい音が積み重なり、それを直そうとしてさらに時間が溶けていきます。
この記事では、AI任せにする部分と手動でこだわる部分を明確に分け、最小の手数で「プロっぽく見える最低ライン」に引き上げる具体手順を解説します。
※注意:本記事は一般的な編集ノウハウです。素材(BGM・画像・フォント等)の利用規約や権利は用途・案件で異なります。必ず各サービスの規約・ライセンスを確認してください。
- 素人っぽさの正体は統一感の欠如(フォント・色・余白・テンポ・音量がバラバラ)
- AIは作業(字幕・カット・整音の叩き台)が得意、手動は判断(見せ方・強調・間)が得意
- “プロっぽさ”は、派手な演出ではなく読みやすさ・聞きやすさ・見やすさで決まる
- 手直し地獄を止める鍵は完成条件の固定+直す順番
プロっぽさは「盛る」ではなく「整える」。AIは作業、人は判断で勝つ
プロっぽい動画は、エフェクトが多い動画ではありません。見た目と音が整っていて、伝えたいところだけ強い動画です。
AI編集ツール(例:CapCut、Vrew、Premiere Proの文字起こし・自動字幕、DaVinci Resolveの音声処理など)は、下処理を速くしてくれます。一方で「どこを見せるか」「どこで視聴者を置いていかないか」は人間の仕事。ここを混ぜると、直しても直しても終わらなくなります。
このあと、素人っぽくなる原因→直す順番→AIと手動の境界線の順で、手順書として落とします。
なぜAI動画は素人っぽく見えるのか:よくある7つの原因
原因1:フォントと字幕ルールが毎回違う(統一感が崩れる)
AIは字幕を“生成”してくれますが、フォント・サイズ・行間・位置・色・影が揃っていないと、動画全体がチープに見えます。視聴者は内容より先に「雑に作られた印象」を受け取りがちです。
原因2:字幕が読みにくい(長い・詰まってる・改行が変)
CapCutやVrewの自動字幕は便利ですが、そのまま使うと改行位置が不自然になったり、1画面に文字を詰め込みすぎたりします。字幕が読みにくいと、ショートでも一気に離脱が増えます。
原因3:テンポが不自然(間が長い/詰めすぎ)
自動無音カットは時短になりますが、聞き取りやすい間まで削ると急に素人っぽくなります。逆に、微妙な無音が残ると「間延び」に見えます。プロっぽいテンポは、情報量ではなく気持ちよさで決まります。
原因4:強調ポイントがない(全部同じ温度)
強調テロップやSEを使いすぎるのも素人っぽいですが、強弱がゼロでも平坦になります。プロっぽい動画は「見せたい所だけ強い」。その他は淡々と整っています。
原因5:BGMとSEが安っぽい(音でバレる)
実は、チープさは映像より音でバレやすいです。BGMが大きい、SEが派手すぎる、声の音量が一定でない。これだけで「素人っぽい」と感じられます。
原因6:素材が弱い(画が単調・解像度が低い・同じ画面ばかり)
AI編集以前に、素材が弱いと完成も弱くなります。ショートは特に「画が変わらない=飽きる」。Bロールや画面ズーム、テロップの強弱よりも先に、素材の選び方で差がつきます。
原因7:直し始める場所が逆(細部から触って迷子になる)
色味やアニメーションをいじる前に、まず整えるべきは音→字幕→テンポです。順番が逆だと「直したのに変わらない」→「もっといじる」→「沼」になります。
AI任せと手動編集の「境界線」:ここを分けるだけで手直しが減る
手直し地獄を抜けるには、先に役割分担を固定します。迷ったらこの基準です。
| 工程 | AIに任せる(時短が効く) | 人がやる(品質が上がる) |
|---|---|---|
| 字幕 | 自動文字起こし・字幕生成(叩き台) | 短くする/改行を整える/固有名詞だけ直す |
| カット | 無音カット・自動テンポ(叩き台) | 聞き取りの間を残す/強調前後だけ調整 |
| 音 | ノイズ低減・音量均一化(下処理) | 声>BGMのバランス/SEの量/最終音量 |
| 見た目 | テンプレ適用(可能ならAI/プリセット) | フォント・色・余白ルールを固定して守る |
| 演出 | 自動トランジション(最小限) | 強調は3点だけ/盛らない判断 |
ポイントは、AIを「完成させる人」にしないこと。AIは叩き台、人は合格ラインに整える編集者です。
手直し地獄から脱出する「編集バランス」5ステップ
ここからは、直す順番がすべてです。下の順番でやれば、最小の手数で“プロっぽさ”が出ます。
ステップ1:完成条件を固定する(ここが曖昧だと永遠に終わらない)
まず「どこまでやったら完成か」をルール化します。おすすめは“最低ラインの完成条件”を作り、毎回これだけ守ること。
- 字幕:2行まで/1行12〜16文字目安/句読点は最小
- フォント:固定(1種類)
- 色:白+影(基本)/強調色は1色だけ
- SE:使うのは3種類まで(入れすぎ禁止)
- BGM:固定プレイリストから選ぶ(新規探索しない)
- 修正回数:見直し2回まで(3回目は“次回改善”へ回す)
この“上限ルール”が、手直し地獄のブレーキになります。
ステップ2:まず「音」を整える(映像より先にチープさが消える)
プロっぽさは、実は映像より音で決まりやすいです。ここだけは手動の価値が大きいです。
- 声が最優先(BGMより常に前)
- 音量が動画内で暴れない(大きい所と小さい所を均す)
- SEは少なめ(入れすぎは一瞬で素人感)
音量の“目安”
- YouTube系:全体のラウドネスを-14 LUFS前後に寄せる目安(制作環境で差が出るため、最終は試聴で確認)
- ピーク:クリップしないように-1 dBTP前後を目安にする考え方
※数値はあくまで目安です。ジャンルやBGMの有無、プラットフォーム、案件ルールで変わるため「聞いて心地よい」「声が明瞭」が最優先です。
ステップ3:字幕を“短く・読みやすく”直す(AI字幕は素材、納品は編集)
字幕は全部直すと終わりません。直すのはルール違反だけに絞ります。
字幕の最低ルール(これだけ守る)
- 1画面に情報を詰めない(長い文は切る)
- 主語と結論を前に出す(読む負担を減らす)
- 改行は意味で切る(助詞の前で切らない)
- 固有名詞・数字・単位だけは必ず修正(誤字が一発で素人感)
例:AI字幕を“プロっぽく”する
- AI:「この方法を使うことによって、効率的に作業を進めることができます」
- 修正:「この方法なら、作業が速くなります」
文字を削るだけで、読みやすさ=プロ感が上がります。
ステップ4:テンポを整える(“気持ちよさ”だけ人が仕上げる)
AIの自動カット(無音削除)は便利ですが、最終的なテンポは人が整えた方が早いです。コツは全部をいじらず、違和感のある所だけ触ること。
- 言い直しの「えー」「あの」が残るなら削る(ただし息継ぎは残す)
- 強調前は0.1〜0.3秒だけ間を足すと“プロっぽい間”になりやすい
- 逆に、間延びする所は0.1〜0.2秒だけ詰める
「全部テンポよく」より、「重要箇所だけ気持ちよく」が正解です。
ステップ5:強調は「3点主義」+見た目はテンプレ化(盛らない)
強調は多いほど良いわけではありません。おすすめは1本の動画で強調は最大3点まで。
- 最初の結論(1点)
- 一番大事な理由(1点)
- 行動(CTAや次の一手)(1点)
ここだけ見出しテロップや軽いズーム、控えめなSEで“軽く”強調します。それ以外は淡々と。これがプロっぽいバランスです。
そして見た目はテンプレ化。
- 字幕の位置・余白・影を固定
- 見出しテロップを1種類だけ決める
- 色は2色まで(基本+強調)
- トランジションは使うなら1種類だけ
テンプレ化=“センスを仕組みにする”です。
一目でわかる:手直しのフロー(迷ったらこの順番)
「結局どこから直す?」の答えを、順番として固定します。
| 順番 | 直すもの | 合格ライン(最低) |
|---|---|---|
| 1 | 音(声>BGM、ノイズ、音量差) | 声が聞き取りやすい/BGMが邪魔しない |
| 2 | 字幕(長さ・改行・誤字) | 2行/読みやすい改行/誤字ゼロ |
| 3 | テンポ(間の違和感) | 詰めすぎ・間延びがない |
| 4 | 強調(3点だけ) | 見せたい所が伝わる |
| 5 | 見た目(テンプレ適用) | フォント・色・余白が統一 |
この順番でやるだけで、「直したのに変わらない」が激減します。
具体例:AI動画がチープで修正が終わらない人が、最小工数で“整った動画”にする
状況:AI(CapCutやVrew等)でショート動画を作成。字幕と演出がごちゃごちゃで、毎回2〜3時間の手直し。完成しても「素人っぽい」。
やめたこと(時間とチープさの原因を断つ)
- フォントを毎回変える → 固定
- BGMを毎回探す → 3曲だけ
- 強調を入れまくる → 3点だけ
- 色を増やす → 2色まで
- 字幕を全部直す → ルール違反だけ直す
直す順番を固定(これが一番効く)
- ①音量(声>BGM)
- ②字幕(長い所だけ短く)
- ③テンポ(間を整える)
- ④強調(3点だけ)
- ⑤見た目(テンプレ適用)
結果、派手な演出を増やさなくても「整っている」印象になり、修正回数が減って時短にもつながります。
よくある失敗5選と回避策(“プロっぽくしたい”人ほどハマる)
- 失敗1:エフェクトを盛ってプロっぽくしようとする
回避策:プロっぽさは“盛り”より“整い”。まず音と字幕のルールを固定する。 - 失敗2:字幕を全部手直しして疲弊する
回避策:直すのは「長い」「改行が変」「固有名詞ミス」などルール違反だけに絞る。 - 失敗3:BGMを探して時間が溶ける
回避策:固定プレイリスト3曲から選ぶ。新規探索は月1回など別枠にする。 - 失敗4:テンプレがなく毎回デザインしてしまう
回避策:字幕・見出し・色のテンプレを1つ作り、まず10〜30本は変えない。 - 失敗5:修正の順番がバラバラで沼る
回避策:「音→字幕→テンポ→強調→見た目」の順番を固定する。
すぐできるチェックリスト:AI動画の“素人感”を消す最低ライン
- フォントは1種類、色は2色までに固定している
- 字幕は2行まで、1行が長すぎない(詰め込みすぎない)
- 声が最優先で聞こえる(BGMが大きすぎない)
- 音量が動画内で極端に変わらない
- 強調は最大3点まで(盛りすぎない)
- テンポの“間”が自然(詰めすぎ/間延びがない)
- テンプレを適用し、見た目の統一感がある
- 修正回数の上限(2回など)を決めている
まとめ:手直し地獄の原因は“こだわり不足”ではなく、こだわる場所がズレていること
AI動画が素人っぽくなる原因は、AIの性能というより統一感と判断の不足です。AIは字幕生成やカットなどの“作業”が得意ですが、プロっぽい仕上がりに必要な“判断”(何を強調し、どのルールで整えるか)は人が握るべき領域です。
手直し地獄から脱出するには、完成条件の固定と直す順番の固定が最重要。まずは音と字幕を整え、強調は3点だけ、見た目はテンプレ化。このバランスに寄せれば、最小の手数でクオリティが上がり、修正も終わるようになります。
次にやること(3ステップ)
- ステップ1:完成条件を決める(フォント固定・色2色・強調3点・修正2回まで)
- ステップ2:直す順番を固定する(音→字幕→テンポ→強調→見た目)
- ステップ3:テンプレを1つ作り、次の10本は変えずに回して“安定”を作る
