「コンサル副業に興味はあるけれど、特別な資格もない自分が何を売れるのか分からない……」
「会社での経験は豊富だが、社外で通用するのか? 機密情報の扱いはどうなる?」
40代会社員が副業コンサルを考えるとき、最大の壁になるのはスキル不足ではなく、「経験の切り出し方」と「本業との兼ね合い(リスク管理)」です。
この記事では、週末2時間で進められるように、あなたの経験を「提供価値→成果物→メニュー→提案」に落とし込む“設計図”を手順書として解説します。収益や受注を保証するものではありません。また、法律・税務・投資などの個別助言はできないため、判断が必要な場面では勤務先の規程や公式情報、必要に応じて専門家へ相談してください。
結論:40代会社員のコンサル副業は「成果物×抽象化×コンプライアンス」で安全に商品化できる
結論から言うと、40代会社員が副業コンサルを安全に始めるコツは次の3つです。
- 成果物ベースにする:助言で終わらせず、持ち帰れる形(PDF/シート/Notion等)を必ず作る
- 業界知見を“抽象化”する:同業向けに売らず、汎用スキル(マネジメント、資料作成、業務改善など)へ変換する
- 競業避止・機密保持・インサイダーを先に押さえる:ここを知らずに動くのが一番危ない
特に40代は管理職・ベテラン層が多く、社内の重要情報に触れていることが珍しくありません。厚生労働省の副業・兼業ガイドラインでも、秘密保持や競業により企業の利益を害する場合などに留意する必要がある旨が示されています。
最初に必ず読む:会社員コンサル副業で危険度が高い「2大法的リスク」
このパートは“行動の前提”です。ノウハウより先に、ここを押さえてください。副業コンサルは、やり方を間違えると本業の懲戒・訴訟リスクに発展し得ます(個別判断は会社規程や専門家へ)。
競業避止義務:同業他社へのコンサルは利益相反になりやすい
多くの会社では、就業規則や社内規程で「競業(会社の正当な利益を害する行為)」を制限しています。厚生労働省ガイドラインでも、競業により企業の利益を害する場合には副業・兼業を禁止または制限できる旨や、競業行為の範囲を明確化・注意喚起することが考えられる旨が示されています。
40代の経験は「業界の知見」になりがちです。それを本業の競合(同業他社)に提供すると、就業規則違反・利益相反・機密の持ち出し疑いにつながりやすいのが現実です。
安全策:
- まず就業規則・副業規程を確認し、必要なら届出・許可を取る
- 同業他社は避け、業界をズラす(例:メーカー営業→飲食店の業務改善など)
- 業界知見をそのまま売らず、汎用スキルに抽象化する(例:提案資料の型、会議設計、業務の棚卸し等)
インサイダー取引:副業で未公開情報に触れる可能性がある
上場企業の会社員(または上場企業と関係が深い業務に携わる方)は特に注意が必要です。副業コンサルでは、クライアント側の未公開情報(提携、新製品、決算見込みなど)や、自社の未公開の重要事実を“うっかり”扱ってしまうリスクがあります。
金融庁やJPX(日本取引所グループ)でも、未公表の重要事実を知った状態での売買が規制対象になり得ること、退任後であっても一定期間対象となり得ることなど、インサイダー取引規制について注意喚起されています。
安全策:
- 「株の話をしない」だけでは不十分。副業で重要事実に触れる可能性を理解する
- 投資判断につながる情報は扱わず、必要なら守秘・情報遮断のルールを作る
- 自社の規程(インサイダー規程、売買ルール、事前届出など)がある場合は必ず従う
- 判断に迷う場合は勤務先のコンプライアンス部門や専門家へ相談する
この2つ(競業避止・インサイダー)を押さえたうえで、次の「商品設計」に進みましょう。
コンサル副業の商品設計は「3点セット」で作る:誰に・何を・どこまで
商品化はセンスではなく設計です。コンサル副業の最小構成は次の3点セットで作れます。
- 誰に:どんな立場の人(例:小規模事業の店長、社内リーダー、営業担当など)
- 何を:どんな課題を(例:提案が通らない/業務が回らない/会議が長い等)
- どこまで:何が手に入る状態にするか(=成果物で定義)
40代がやりがちな失敗は「自分の経験を全部盛り」することです。範囲が広いほど、時間が溶けます。週末2時間で続けるなら、必ず“どこまで”を成果物で固定してください。
成果物の例:
- PDFレポート:現状整理→原因仮説→打ち手3つ→優先順位
- スプレッドシート:KPI表、工数見積もり表、業務棚卸し表
- Notion:タスク管理ページ、会議運営テンプレ、議事録テンプレ
成果物があると、購入者は「何がもらえるか」が分かり、あなたは「ここまで」を守れます。単価も決めやすくなります。
ステップ1:強みの棚卸し(“知識”ではなく再現できる勝ちパターンを拾う)
商品になる強みは、すごい肩書きよりも再現できる勝ちパターンです。次のフレームで棚卸ししてください。紙1枚、30分でOKです。
棚卸しフレーム(4つ書くだけ)
- A:繰り返し頼まれてきたこと(例:資料の直し、会議の設計、関係者調整)
- B:失敗→改善で身についたこと(例:炎上しない進め方、抜け漏れ防止のチェック)
- C:成果が出た手順(例:ヒアリング→整理→合意→実行の流れ)
- D:人に渡せる型(例:テンプレ、チェックリスト、質問集、台本)
40代の強みは「経験の量」より、型(テンプレ)を持っていることにあります。型は“汎用化”しやすく、競業避止の観点でも安全側に寄せやすいのがメリットです。
コンプラ観点の注意:社内の固有情報は“素材”にしない
棚卸しの段階から、社内固有の数値、顧客名、取引条件、未公開の施策などは書かない(別紙にもしない)くらい慎重でOKです。副業の土台は「安全に続けられること」です。
ステップ2:提供価値を1行にする(課題→成果物→次の一手)
棚卸しができたら、「提供価値」を1行に落とします。コンサルは抽象的になりやすいので、成果物で固定します。
1行テンプレ
- 〇〇で悩む(誰)に対して、□□(成果物)を一緒に作り、次にやること(行動)まで決めます。
例:
- 「提案が通らない営業担当に対して、提案資料の構成(1枚)と話す順番の台本を一緒に作り、次の商談で使える状態にします」
- 「業務が回らないチームリーダーに対して、業務棚卸し表と優先順位表を作り、明日からの回し方を決めます」
この形にすると、あなたの提供は“助言”ではなく共同制作になります。共同制作は、購入者の満足度が上がりやすく、あなた側も「ここまで」を守れます。
ステップ3:メニュー化(週末2時間で回る3段階:単発→短期→継続)
初心者ほど、最初に作るべきは「継続コンサル」ではなく、単発で完結する入口商品です。週末2時間の現実に合わせて、次の3段階で作ると崩れにくいです。
| メニュー | 目的 | 内容 | 成果物 |
|---|---|---|---|
| お試し診断(単発) | 相性確認・課題特定 | ヒアリング→整理→優先順位 | 課題整理PDF(1〜2枚)+次の3アクション |
| 設計コンサル(短期) | 型を作って自走へ | 課題分解→手順設計→テンプレ作成 | テンプレ一式(シート/Notion/チェックリスト) |
| 伴走(継続) | 運用定着・改善 | 定例→レビュー→改善 | 改善ログ+次の打ち手 |
単価は相場を断定できませんが、決め方はシンプルです。まず提供範囲を固定し、次に成果物を決め、最後に時間上限を置きます。これで「安売り」ではなく「守れる価格」に寄せられます。
40代向け補足:将来的な“アップサイド”は作れる
40代は「経験の切り売り」への抵抗感が出やすいですが、成果物型で信用が積み上がると、単発→短期→継続へ自然に広げられます。いきなり高単価を狙うのではなく、まずは“約束を守って信頼を積む”。その先に単価アップの余地が生まれます(ただし金額や成果を保証するものではありません)。
提案(出品文)の作り方:実績ゼロでも信頼されるテンプレ
実績ゼロでも受注が起きる人は、実績ではなく進め方の安心を売っています。提案文は、次の順番にすると強くなります。
提案テンプレ(埋めるだけ)
- 対象:「〇〇でお困りの方へ」
- 提供内容:「□□(成果物)を一緒に作ります」
- 進め方:「ヒアリング→整理→案→修正→納品」
- 用意してもらうもの:「現状資料、目標、制約条件」
- 提供範囲:「ここまで/ここからは対象外(オプション)」
- 成果物サンプル:テンプレの一部(架空データ)を見せる
注意:社内資料をそのままサンプルにするのは危険です。必ず架空データで作り直し、機密が一切入らない形にしましょう。
案件の取り方:40代会社員と相性が良い「3ルート+スポットコンサル」
週末2時間の副業は、集客に時間をかけすぎると崩れます。最初は“需要確認が早いルート”を優先するのが合理的です。
- ①知人ルート:売り込みではなく「こういう成果物メニュー作った。必要なら相談のるよ」
- ②プラットフォーム:スキルマーケットで単発メニュー(規約は厳守)
- ③発信ルート:ブログ/SNSで「手順(型)」を小出しにして相談導線を作る
- ④スポットコンサル:1時間インタビューで知見提供(需要確認に強い)
特に40代の知見は、スポットコンサルと相性が良いです。例えばビザスクは、1時間からのインタビュー等でエキスパートの知見を活用できるスポットコンサルサービスとして案内されています。
また、ビザスクのヘルプには、インタビュー案件の参考謝礼金額(例:1時間あたりの参考金額など)が案内されていますが、案件内容・条件で変わるため「目安」として捉え、無理に金額を当てにしないのが安全です。
よくある失敗7選と回避策(競業避止・インサイダーもここで防ぐ)
失敗1:同業他社にコンサルしてしまい、利益相反になる
回避策:就業規則・副業規程を確認。競合は避け、汎用スキルに抽象化。厚労省ガイドラインでも競業により企業の利益を害する場合などに留意が必要とされています。
失敗2:助言だけで終わり、価値が残らない
回避策:必ず成果物(PDF/シート/Notion)を納品する。共同制作に寄せる。
失敗3:範囲が広すぎて週末2時間では回らない
回避策:提供範囲・修正回数・連絡時間を明記。範囲外はオプション化。
失敗4:社内の資料・数値を使ってしまい、機密漏えいになる
回避策:サンプルは必ず架空データ。社内の固有情報は一切持ち出さない。
失敗5:副業で未公開情報に触れ、株取引のリスクが増える
回避策:インサイダー取引規制の考え方を理解し、判断に迷う場合は勤務先の規程やコンプラ部門へ相談。金融庁・JPXでも未公表の重要事実を知った状態での売買等への注意喚起があります。
失敗6:無料相談を増やしすぎて疲弊する
回避策:無料は「課題整理まで」と決める。成果物の一部を渡して有料へつなげる。
失敗7:本業の就業規則確認を後回しにして揉める
回避策:最初に規程を確認し、必要なら届出。副業可でも“競業・機密・信用毀損”は別問題。
ここまでの要点:すぐできるチェックリスト
- 本業の就業規則・副業規程を確認した(届出/許可が必要か)
- 競合(同業他社)向けに売らない設計にした(業界をズラす/抽象化)
- 未公開情報・機密情報を扱わない運用ルールを決めた
- インサイダー取引規制の注意点を理解し、社内規程も確認する方針にした
- 提供価値を「課題→成果物→次の一手」で1行にできた
- 成果物の形式を決めた(PDF/スプレッドシート/Notionなど)
- 単発メニュー(入口商品)を作った
- 提供範囲・修正回数・対応外・追加条件を明記した
まとめ:経験を“安全に”商品化するための設計図
40代会社員のコンサル副業は、やり方次第で再現性が高い一方、競業避止や機密保持、インサイダーなどのリスク管理を軽視すると危険です。だからこそ、最初に守るべき境界線を引き、成果物ベースで商品化するのが最短ルートになります。
- まずコンプライアンス(競業避止・機密保持・インサイダー)を確認する
- 次に「誰に・何を・どこまで」を成果物で固定する
- 単発→短期→継続の順に広げ、信用を積み上げる
- 40代はスポットコンサル(1時間インタビュー等)で需要確認もしやすい
次にやること(3ステップ)
- 今日:就業規則・副業規程を確認し、「競合NG」「機密NG」「未公開情報NG」の自分ルールをメモする
- 今週末:棚卸し(A〜D)→提供価値を1行で3案作り、成果物テンプレを1つ作る(PDF/シート/Notion)
- 来週末:単発メニューの提案文を完成させ、知人ルートorスポットコンサル等で需要確認する
