結論:伸びない原因は「狙う指標」がズレているだけ
SNSで伸びる投稿は、根性よりも「アルゴリズムが評価しやすい行動」を引き出せているかで決まります。具体的には、特に重要なのが保存(後で見返す)/シェア(人に送る)/滞在時間(読み切る・見切る)です。
逆に「いいねは付くのに伸びない」「頑張って書いたのに回らない」という人は、投稿の価値が低いのではなく、保存・シェア・滞在を生む構成になっていないだけのケースが多いです。
なぜ頑張っても伸びないのか:SNSは“反応の質”で配られる
SNSのタイムラインやおすすめ枠は、基本的に「あなたの投稿を、次の人に配るべきか?」を判断する仕組みです。多くのプラットフォームは、ユーザー行動(いいね・返信・視聴・シェア等)をシグナルとして使い、良い体験になりそうな投稿を推薦します。
たとえばXは、おすすめが「フォローしている人の投稿」だけではなく、あなたの行動(フォロー、トピック、いいね、リポスト、返信、見た動画など)を含む多様なシグナルで決まると説明しています。つまり、“見られて終わり”では弱いということです。
- 保存される → 「実用性が高い(あとで使う)」
- シェアされる → 「他人に渡す価値がある(紹介したい)」
- 滞在時間が伸びる → 「読む/見るのをやめなかった(没入した)」
この3つが揃うほど、次の人に配られる確率が上がりやすくなります(プラットフォームごとに呼び名や重みは違います)。
まず押さえる:主要SNSが見ている“3つの柱”
1)滞在時間(読む・見る時間)が伸びるほど強い
TikTokは、レコメンド要因として「ユーザーのインタラクション(いいね、シェア、コメント、最後まで見る/スキップなど)」を挙げ、さらに多くのユーザーでは、視聴に関する行動(例:視聴に費やした時間)を比較的重く扱う趣旨を説明しています。
つまり、滞在時間を伸ばせる投稿は、伸びる土台があります。
2)保存・シェアは「価値がある」の強い証拠
Instagramはランキング要因を「いいね・コメント・シェア・保存」などのシグナルで説明しています。保存は「後で使う」、シェアは「人に渡す」なので、“行動コストが高い反応”ほど価値が強いと見なされやすいです。
3)会話(返信・コメント)は“関係性”のスコアを上げる
Xの会話(返信)の表示は、フォロー関係や投稿者との関係性、いいね等の特徴量を使った機械学習によるランキングで並ぶ、とヘルプで説明されています。返信が生まれる投稿は、次の露出につながる「関係性」を作りやすいです。
伸びる投稿の作り方:保存・シェア・滞在を生む「型」
型A:チェックリスト型(保存が増える)
保存を増やす最短ルートは「あとで使える形」にすることです。おすすめはチェックリスト。
- タイトル:〜の確認リスト/〜の手順/〜のテンプレ
- 本文:箇条書きで完結、結論→手順→注意点
- 最後:保存CTA(例「あとで見返す用に保存」)
型B:比較表・結論先出し型(滞在が伸びる)
「読む理由」を先に渡すと離脱が減ります。
- 冒頭:結論(1行)+対象者(誰向けか)
- 中盤:比較(メリデメ/向き不向き)
- 終盤:判断フロー(YES/NOで決められる)
型C:失敗→回避策型(会話が生まれる)
人は成功談より失敗談に反応します。最後に問いかけを入れると、返信が増えやすいです。
- 失敗:やらかしたこと(具体的)
- 原因:なぜ起きたか(1〜2行)
- 回避策:次からこうする(手順)
- 問いかけ:あなたはどこで詰まりました?
型D:テンプレ配布型(保存・シェア両方を狙える)
「コピペして使える」は保存されやすく、同時にシェアもされやすい鉄板です。
- テンプレ本文(そのまま使える形)
- 使い方(3ステップ)
- 注意点(NG例も一緒に)
フック(冒頭)を直すだけで滞在時間は上がる
伸びない人の多くは、内容ではなく「入り口」で損します。滞在時間を伸ばすフックは、次の3パターンが強いです。
フック1:結論+ベネフィット(最短で理解)
- 例:「伸びない原因は“いいね狙い”だから。保存とシェアを増やす設計に変えるだけでOK」
フック2:よくある勘違い否定(思わず読む)
- 例:「毎日投稿しても伸びません。伸びるのは“保存される形”にした人だけ」
フック3:数字より“状況”で刺す(共感で読む)
- 例:「投稿に30分かけたのに、インプレが増えない…その原因は構成にあります」
CTAテンプレ:保存・シェア・返信を自然に増やす言い回し
CTA(行動のお願い)は露骨だと逆効果なので、“相手の得”を先に置くのがコツです。
保存CTA(インスタ/他)
- 「あとで見返す用に保存しておくとラクです」
- 「手順はこの通り。作業前に保存してチェックしてください」
シェアCTA(インスタ/TikTok)
- 「同じことで悩んでる人に送ってあげてください」
- 「チーム/友だちと共有すると失敗が減ります」
X向け:ブックマーク/返信CTA
- 「あとで見返すならブックマーク推奨」
- 「あなたの詰まりポイント、1つだけ教えてください(返信でOK)」
【媒体別】アルゴリズムに好かれる「設計の比率」
Instagram:保存・シェア(送信)を最優先に設計
インスタは「保存される情報設計」が強いです。カルーセル(複数枚)で手順を分割し、1枚目で結論、2〜6枚目で手順、最後でチェックリストにすると滞在も伸びます。
TikTok:視聴時間(最後まで見る/見続ける)を最優先に設計
TikTokはレコメンドの要因として、ユーザーのインタラクションに加えて「視聴に費やした時間」を重く扱う旨を説明しています。だから、
- 冒頭1秒で「何が得か」を言う
- 結論→理由→手順をテンポ良く
- 尺は短くても“ムダを削る”
が効きます。
X:会話(返信)と興味一致が伸びやすい
Xはおすすめや会話表示に、フォロー・トピック・いいね・返信などのシグナルを使うと説明しています。なので、Xは「保存されるまとめ」よりも、
- 意見が割れるテーマ(ただし炎上狙いはしない)
- 失敗談→学び→問いかけ
- 具体例(数字・状況)で反応しやすくする
で返信が生まれやすくなります。
インサイト分析:伸びない原因を「保存・シェア・滞在」で特定する
改善は、感覚ではなく1投稿ずつ原因を特定すると最短です。目安はこの3つです。
- 滞在が低い:フックが弱い/情報が詰まりすぎ/読みにくい
- 保存が低い:再利用できる形になっていない(手順・チェック化不足)
- シェアが低い:人に渡す理由が弱い(“誰に送るか”が想像できない)
数字を見るための準備(最低限)
Instagramはプロアカウント(ビジネス/クリエイター)に切り替えることで、インサイトやプロ用ダッシュボードから指標を確認できます。
- Instagram:個別投稿/リールの「インサイトを見る」から保存数などを確認(プロアカウントが前提)
- X:各ポストの表示回数(view counts)など、到達の目安が確認可能
よくある失敗5選と回避策
失敗1:いいね狙いの投稿を量産する
回避策:「保存される形(チェックリスト/手順/テンプレ)」に変える。いいねは“感想”、保存は“価値”です。
失敗2:1投稿に情報を詰め込みすぎて読まれない
回避策:カルーセル化・分割投稿・見出し(結論→理由→手順)で滞在を伸ばす。
失敗3:CTAがない(次の行動が分からない)
回避策:最後に「保存/共有/返信」のどれか1つだけ促す。欲張らない。
失敗4:媒体の相性を無視して同じ投稿をコピペする
回避策:インスタは保存、TikTokは視聴、Xは会話。比率を変えるだけで反応が変わります。
失敗5:分析せずに“運”で投稿し続ける
回避策:直近10投稿を「滞在/保存/シェア」の視点で振り返り、原因を1つだけ直して次で検証する。
すぐできるチェックリスト(投稿前10分)
- 1行で「何が得か」を言えている(冒頭)
- 手順が箇条書きで追える(途中で迷わない)
- 保存される形(チェック/テンプレ/比較)になっている
- 「誰にシェアするか」が想像できる一文がある
- 最後のCTAは1つだけ(保存 or シェア or 返信)
まとめ:伸びない原因は“設計”で直せる
SNSで伸びる投稿は、才能よりも保存・シェア・滞在時間を生む設計になっています。まずは「型」に寄せて、指標が動く形を作り、インサイトで原因を特定して改善しましょう。
次にやること(3ステップ)
- ステップ1:直近10投稿を見て「滞在が弱い/保存が弱い/シェアが弱い」を1つ決める
- ステップ2:次の投稿を「チェックリスト型」か「テンプレ配布型」で作り、最後にCTAを1つ入れる
- ステップ3:投稿後48時間で数字を確認し、同じ型をもう1回だけ改善して検証する
参考:Xのおすすめ表示はフォロー・トピック・いいね・返信・視聴など多様なシグナルで決まる旨がヘルプで説明されています。TikTokも推薦にユーザー行動(視聴時間を含む)を用いる旨を説明しています。Instagramは「いいね・コメント・シェア・保存」などのシグナルでランキングを説明しています。
(出典:Xヘルプ「Our approach to recommendations」「Conversations Recommendations」、TikTokヘルプ「How TikTok recommends content」、Instagramのランキング説明記事)
