結論:実績ゼロでも通る提案は「できることを盛る」のではなく、業務範囲(スコープ)を小さく切って“運用の設計図”として提示すること。月額1〜3万円は「継続できるルーティン+上限設定」が揃うと、初心者でも安全に回せます
「実績ゼロの自分に、仕事を頼んでくれる人なんているのかな……」
「いくらで提案すればいいのか、相場が分からなくて怖い」
「提案文を書こうとすると、ふわっとして刺さらない」
SNS運用代行の初案件獲得で、初心者がつまずくのは“スキル不足”よりも提案の設計不足です。実績がなくても、業務範囲が明確で、運用ルールがあり、報告の型がある提案は「この人なら安心して任せられそう」と思われやすくなります。
この記事では、月額1〜3万円の初提案でそのまま使える提案文テンプレと、価格の出し方(スコープの切り方)、施策・体制・目標の置き方を、初心者向けに手順書としてまとめます。
※本記事は一般情報です。成果を保証する表現は避け、契約トラブルになりにくい言い回しに統一しています。
なぜ「実績ゼロ」でも提案が通るのか:クライアントが買うのは“バズ”ではなく「継続できる運用体制」
クライアントがSNS運用で困っているのは、だいたい次の3つです。
- 投稿が続かない:担当者が忙しくて止まる/属人化して消える
- 何をすればいいか分からない:場当たり投稿で改善が回らない
- リスクが怖い:炎上・凍結・規約違反を避けたい
つまり、初提案で刺さるのは「バズらせます」ではなく、投稿が続く仕組み+安全に改善できる運用ルールです。
実績ゼロのあなたが勝てる土俵はここ。提案文は“営業トーク”ではなく、運用の仕様書(設計図)にすると通りやすいです。
月額1〜3万円の初提案は「スモールスコープ×ルーティン」で作る
最初から「毎日投稿・全DM対応・毎週レポ・企画大量・広告も…」と盛ると、ほぼ確実に崩壊します。
初提案は、次の考え方で組むのが安全です。
初提案の基本設計(おすすめ)
- 期間:まずは1ヶ月(もしくは「1ヶ月お試し→継続」)
- 対象:X or Instagram どちらか1つ(両方は“軽量”から)
- 価値:投稿の継続+最低限の改善(数字の見える化)
- 納品物:投稿案/投稿作成/簡易レポ(1回/月 or 1回/週)
価格の出し方:相場で迷うなら「自分の稼働時間」から逆算する
月額1〜3万円のレンジでも、稼働が週2時間の人と週8時間の人では、出せる価値が違います。
だから、まず“回せる量”を固定します。
- 週に確保できる作業時間は何時間?(例:2〜4時間)
- その時間で確実に回る作業だけをプランに入れる
- 重い作業(毎日投稿、全返信、素材制作など)はオプションに分ける
「安すぎる提案」より危険なのは、回らない提案です。継続できないと、実績づくりもできません。
提案が通る“7要素”テンプレ:これが揃うと一気にプロっぽくなる
提案文が弱い人は、要素が抜けています。以下をテンプレとして固定してください。
- 1)現状の理解:アカウント状況・課題(仮説でOK)
- 2)目標:目的に合う指標を置く(数値保証はしない)
- 3)施策:投稿方針・企画の方向性(最初は少数)
- 4)業務範囲:やること/やらないこと(スコープ)
- 5)運用体制:連絡手段・頻度・承認フロー
- 6)レポート:いつ、何を、どう報告するか
- 7)価格・期間:月額、期間、更新方法、追加時の扱い
この7要素があるだけで、実績ゼロでも「仕事として成立している人」に見えます。
提案書の構成図解:まずは“この順番”で作れば迷わない
提案が苦手な人ほど、文章をいきなり書き始めて迷子になります。先に“箱”を決めて埋めてください。
提案書の最短構成(スライド/ドキュメント共通)
![[1] 表紙(案件名・相手社名・あなたの名前) [2] 現状の整理(課題の仮説 / なぜ止まっているか) [3] 目標(目的と指標:認知/集客/採用 など) [4] 施策(投稿の型・テーマ・運用ルーティン) [5] スコープ(やること/やらないこと・上限) [6] 運用体制(連絡手段・承認フロー・素材の受け渡し) [7] スケジュール(初月の流れ:何週目に何をするか) [8] レポート(頻度・内容・改善の出し方) [9] 料金・契約条件(期間・更新・追加作業の扱い)](https://fukugyo.fun/wp-content/uploads/2026/01/Gemini_Generated_Image_b4hlltb4hlltb4hl-1024x558.jpg)
これを“型”として保存すると、案件が変わっても迷いません。
【テンプレ】月額1〜3万円の提案プラン例:まずは3段階で提示すると決まりやすい
価格交渉が苦手な人ほど、プランを1つだけ出して詰みます。
初心者の初提案は、ライト/標準/少し手厚いの3段階にすると選んでもらいやすいです。
| プラン | 月額の例 | 対応内容(例) | 向いている相手 |
|---|---|---|---|
| ライト(運用の土台づくり) | 1万円台 | 投稿案/文章作成サポート+月1簡易レポ | 社内で投稿はできるが改善が止まる |
| スタンダード(投稿の継続) | 2万円前後 | 週2〜3投稿作成+簡易分析+改善提案(月1) | 担当が忙しく投稿が続かない |
| スターターMAX(最小の外注運用) | 3万円前後 | 週3〜4投稿作成+週1ミニ報告(コメント一次対応は相談) | 小さく外注して試したい |
ポイントは、どのプランも「納品物」と「回す頻度」が明確なこと。ここが曖昧だと、月額が安くても揉めます。
【提案文テンプレ】実績ゼロ向け:そのまま送れる“初提案”の型(チャット用・丁寧版)
ここからコピペで使えます。あなたの案件に合わせて「週◯本」「目的」「連絡手段」だけ差し替えればOKです。
テンプレA:最短で送れる提案文(DM/チャット用)
〇〇様 ご相談ありがとうございます。まずは「投稿が継続し、改善が回る状態」を最短で作るのが良いと考えています。 【現状の仮説(拝見した範囲)】 ・投稿頻度が安定しにくく、内容が場当たりになりやすい ・反応の良い投稿の型が言語化されていない ・数字の振り返りができず、改善点が見えにくい 【ご提案(まず1ヶ月の小さな運用から)】 ・週◯本の投稿作成(文章+構成+CTAの型を整備) ・週1回の簡易チェック(反応の良い/悪い投稿の要因整理) ・月1回のミニレポ(次月の改善方針を共有) 【運用ルール】 ・投稿前に確認が必要な場合は、前日までにご承認をお願いします ・危険な施策(無差別フォロー、いいね周り、自動DM等)は行いません ・連絡は◯◯(Chatwork/Slack/LINE等)で、原則24時間以内に返信します 【費用】 月額:◯◯円(まずは1ヶ月〜) もし可能でしたら、目的(認知/集客/採用など)と、投稿に使える素材(写真/実績/商品情報)を教えてください。
テンプレB:提案書に貼れる“丁寧版”(スコープが明確で揉めにくい)
■ 提案概要
目的:SNS運用を「継続できる仕組み」にし、投稿内容の改善サイクルを作る
対象:X または Instagram(どちらか / 両方は軽量から)
期間:まず1ヶ月(継続は月次更新)
■ 現状整理(ヒアリング前の仮説)
・投稿の頻度が安定しない/属人化している
・反応が良い投稿の型が言語化されていない
・運用担当者の時間が不足し、改善が回らない
■ 施策(1ヶ月目にやること)
1)投稿の型を固定(テーマ/構成/CTA/ハッシュタグ)
2)週◯本の投稿を作成し、投稿スケジュール化
3)反応を見て、次週の投稿に反映(小さく改善)
■ 業務範囲(やること)
・投稿作成:週◯本(文章作成。簡易デザインが必要な場合は別途相談)
・投稿管理:投稿カレンダー作成 / 予約投稿(可能な範囲)
・分析:月1回の簡易レポ(良かった点/改善点/次月の方針)
・連絡:チャットでの質疑応答(原則24時間以内に返信)
■ 業務範囲(やらないこと:除外)
・フォロワー増加を目的とした危険施策(無差別フォロー、ツールでの自動化など)
・24時間体制の返信、炎上対応の全面代行(一次対応の定型は相談可)
・広告運用、LP改善、撮影、商品企画など(必要なら別途相談)
■ 運用体制
・連絡:◯◯(Chatwork/Slack/LINE)
・確認フロー:投稿前確認の有無(必要なら◯時間前までに確認依頼)
・素材共有:Google Drive等
・レポート:月1回(Googleスプレッドシート等で共有)
■ 費用
月額:◯◯円(税別)
※上記スコープ内の費用です。追加作業が発生する場合は事前に相談のうえ決定します。
リスク管理:提案で絶対に言ってはいけない“断定”と、代わりの安全な言い回し
提案が怖い人ほど「売上アップします」「必ずフォロワー増えます」と書きたくなりますが、これは危険です。
「必ず」「確実に」「◯人増やします」のような断定は、契約トラブルの火種になり、場合によっては誤認を招く表現として問題になることがあります。
危ない例 → 安全な置き換え
- NG:「必ず売上が上がります」→ OK:「目的に沿った導線設計と改善を行い、反応を見ながら最適化します」
- NG:「フォロワーを◯人増やします」→ OK:「反応の良い投稿の型を特定し、再現性のある運用にします」
- NG:「集客◯人保証」→ OK:「問い合わせにつながりやすい投稿導線(プロフィール/リンク/CTA)を整備します」
「結果」を約束するのではなく、運用の約束(プロセス)をする。これが初心者の提案を安全に強くします。
価格トラブルを防ぐ最重要ポイント:「上限」を提案に書く(作業が膨らまない)
月額制で揉める原因の多くは、上限が書かれていないことです。
月額1〜3万円で安定運用するなら、上限は必須です。
上限の書き方(コピペOK)
- 投稿作成:週3本まで(追加はオプション)
- 修正回数:1投稿あたり1回まで(大幅修正は別途)
- 打ち合わせ:月1回30分まで(追加は別途)
- コメント返信:週2回まとめて(リアルタイム常時対応は不可)
ここを書くだけで、「安請け合い地獄」を回避しやすくなります。
【コピペOK】初回商談で聞くべき質問リスト:ヒアリングシート(提案の精度が上がる)
提案の勝負は、文章力よりヒアリングで決まります。的外れな提案を防ぐために、最初の打ち合わせでこれを聞いてください。
ヒアリングシート(テキスト)
■ 1. 目的(最重要)
・今回SNSを強化したい理由は?(認知/集客/採用/既存顧客/ブランド)
・最終的に理想の状態は?(例:予約が安定、問い合わせが増える等)
・今いちばん困っていることは?
■ 2. ターゲット(誰に届ける?)
・想定するお客様(年齢/性別/地域/悩み/購買動機)
・避けたい層(来てほしくない顧客像)
・競合と比べた強み(価格/品質/実績/スピード/人柄など)
■ 3. 商材・導線(どこに着地させる?)
・主力商品/サービスは何?
・単価帯(ざっくりでOK)
・問い合わせ導線(DM/予約サイト/LINE/フォーム/電話)
・キャンペーンや季節要因はある?
■ 4. 現状の運用(何が止まっている?)
・投稿頻度(理想と現実)
・過去に伸びた投稿/反応が悪かった投稿
・投稿作業の担当者と工数(誰がどれくらい時間を使える?)
■ 5. 素材の有無(運用が回るかの鍵)
・写真/動画素材はある?(店内、商品、実績、スタッフ等)
・素材の提供頻度(週1まとめて / 都度)
・撮影が必要な場合、誰が撮る?(こちらで撮影は別途扱い)
■ 6. ルール・リスク(トラブル回避)
・禁止事項(使ってはいけない表現、NGな話題)
・コメント返信の方針(クレーム時の対応、返信のトーン)
・承認フロー(投稿前に確認する?誰がOKを出す?)
■ 7. 運用体制(回す仕組み)
・連絡手段(Chatwork/Slack/LINE/メール)
・返信の希望スピード(即時/当日/翌営業日)
・定例MTGの有無(必要なら月1〜)
■ 8. 成果の見方(数値保証はしない)
・見る指標(例:保存、プロフィール遷移、リンククリック、問い合わせ数)
・レポート頻度(週次/隔週/月1)
このシートを使うと、提案が「ふわっと」しなくなり、スコープも決めやすくなります。
具体例:月額2万円の初提案(Instagram想定)を組み立てる
初心者が再現しやすいように、1パターンを具体化します。
想定状況
- クライアント:地域の美容室(投稿が月2回で止まりがち)
- 目的:認知と予約導線の整備(成果保証はしない)
- 課題:素材はあるが、文章・構成・継続が苦手
提案の骨子(スコープ)
- 週2投稿(施術事例1本+知識系1本)
- 文章テンプレ化:構成+CTA(予約導線の書き方)
- 月1レポ:伸びた投稿の共通点/次月の改善案3つ
- 素材提供:クライアントが週1でまとめて共有(運用側は加工を最小)
これなら「回る」「続く」「改善できる」が揃い、実績ゼロでも提案として成立します。
よくある失敗5選と回避策(初提案で事故る人の共通点)
失敗1:業務範囲が曖昧で、依頼が無限に増える
回避策:提案に「やること/やらないこと」「上限」を必ず書く。
失敗2:売上やフォロワー増など“結果”を断言する
回避策:成果保証ではなく「改善サイクル」「型づくり」「運用ルール」を約束する。
失敗3:毎日投稿を提案して、自分が回らなくなる
回避策:最初は週2〜3本から。余力が出たら増やす。
失敗4:危ない施策(いいね周り・自動DM等)を提案してしまう
回避策:「安全運用(凍結回避)」を方針として明記し、禁止施策を提案内に書く。
失敗5:承認フローがなく、投稿後に「消して」と言われて手戻り地獄
回避策:投稿前確認の有無、締切(いつまでに返答)をルール化する。
すぐできるチェックリスト:初提案を送る前に最終確認
- 提案に「現状(仮説)・目標・施策・スコープ・体制・レポ・価格」が入っている
- やること/やらないこと、上限(本数・修正回数・MTG回数)を書いた
- 危険施策をやらない旨を明記した
- 成果保証につながる断定表現(必ず/確実に/◯人増)を入れていない
- 承認フロー(投稿前確認の有無・締切)を決めた
- 素材の受け渡し方法(Drive等)と頻度が決まっている
まとめ:提案文は「型」にすると勝てる。実績ゼロは“スコープ設計”で信用を作る
月額1〜3万円の初提案は、派手な施策よりも継続できる運用設計が価値になります。
実績がないうちは特に、業務範囲を小さく切る/上限を書く/安全運用を宣言する/報告の型を作ることで、受注率もトラブル耐性も上がります。
提案は“営業文”ではなく、クライアントの不安を消す運用の仕様書として作ってください。
次にやること(3ステップ)
- ステップ1:この記事のテンプレA(チャット用)を自分の言葉に直し、すぐ送れる雛形として保存する
- ステップ2:自分の稼働時間から「週◯本まで」「修正◯回まで」「MTG◯回まで」の上限を決め、3段階プラン表を作る
- ステップ3:ヒアリングシートをコピペして、初回商談で「目的・導線・素材・承認フロー」を必ず確認する
※提案が通ったら、できる限り業務委託契約書を締結しましょう。特に「秘密保持(NDA)」「業務範囲(スコープ)」「成果物の扱い(著作権や利用範囲)」「解約条件」は、後から揉めやすいポイントです。必要に応じて専門家への相談も検討してください。
