導入:「未開封=新品=安全」と思った瞬間に、判断がズレ始めます
「未開封なんだから、新品でしょ。古物商許可はいらないよね?」
「ネットで仕入れて新品で売るだけなら、法律も規約も大丈夫そう」
副業の物販でつまずきやすいのは、“新品”という言葉が、場面によって意味が変わることです。
見た目は新品でも、古物営業法の考え方では「古物」に当たる場合があり、さらにAmazonなど販路の規約では「新品」として出品できないケースがあります。
この記事では、初心者が混乱しがちな「新品表示でも古物になるケース」を整理しつつ、特に質問が多い「ネット仕入れで“小売”と“卸(BtoB)”を見分ける基準」を、行動できる形に落とし込みます。
※法的助言ではなく一般情報です。最終判断は管轄警察署や専門家、各プラットフォームの最新ガイドラインに従ってください。
この記事で分かること
- 未開封でも「古物」になり得る理由(考え方)
- 新品っぽいのに古物扱いになりやすい典型パターン
- 電脳せどりで迷う「小売EC」と「卸問屋(BtoB)」の境界線
- Amazon等の“新品”でトラブルになりやすいポイント(保証・証憑)
- 初心者が安全側に倒す判断フローとチェックリスト
結論:未開封でも「一度、消費者の手に渡った可能性」が高いなら古物側で考えるのが安全
古物営業法でいう「古物」は、ざっくり言うと「一度使用された物」だけではありません。一般に、未使用でも“使用のために取引されたもの”が含まれる、という考え方が示されています。
そのため、見た目が未開封・未使用でも、小売で買ったもの/個人が保有していたもの(フリマ等)/ギフトのように、すでに消費者側の流通を通っている可能性が高いルートでは、古物として扱う前提でリスク設計するのが現実的です。
一方で、事業者向けの卸(BtoB)ルートのように、最初から「再販売のための仕入れ」として設計されている取引もあります。ただし初心者は、この境界線を勘違いして事故りやすいので、見分け方を後半で具体化します。
まず整理:「新品」という言葉が3種類ある(ここを混ぜると事故る)
混乱の原因は、同じ「新品」が別の意味で使われることです。ここを分けるだけで判断がラクになります。
| 区分 | 意味 | 主な判断軸 |
|---|---|---|
| 新品(状態) | 未使用・未開封・キズなし等 | 外観、付属品、開封有無 |
| 古物(法律) | 一度使用されたもの/未使用でも「使用のために取引されたもの」など | 流通の履歴(誰の手に渡ったか) |
| 新品(販路規約) | Amazon等で「新品」コンディションとして出品できる条件 | 規約、保証、証憑(領収書等)、カテゴリー要件 |
この記事の中心は「古物(法律)」ですが、実務では「販路規約」を無視するとアカウントやクレームの事故が増えます。両方の落とし穴をまとめて押さえておきましょう。
新品でも古物になりやすい典型パターン(未開封でも油断しない)
パターン1:家電量販店・一般向けECで買った新品を、未開封のまま転売する
初心者が最もやりがちなパターンです。
「自分で買った新品=新品のまま」と思いがちですが、考え方としては“消費者の手に渡った”という履歴が強くなります。未使用でも古物側に寄る可能性があるため、古物商許可や帳簿などの前提(あなたの売買の実態が継続的・営利目的である等)を含めて、早めに整理しておくと安心です。
パターン2:プレゼント(ギフト)でもらった未使用品を売る
ギフト品は「未使用」でも、もともと誰かが“使用のため”に購入していることが多い領域です。状態だけ見て「新品だから大丈夫」と判断するとズレやすいので、履歴は“消費者側の流通”と捉えて安全側に倒すのが無難です。
パターン3:フリマで「未開封新品」を仕入れる(個人から仕入れる)
フリマ(例:メルカリ、ヤフオク等)で売られている時点で、基本的に「個人が保有していた商品」です。
見た目が未開封でも、法律の考え方としては古物側に寄りやすく、さらに別の論点(本人確認・帳簿の整合)が出てきます。初心者はまず「個人から仕入れる=古物前提」と覚えておくと判断ミスが減ります。
パターン4:「新古品」「開封しただけ」「通電のみ」
「ほぼ新品」「新古品」は“状態の表現”であって、法律の古物判定とは別物です。
加えて、購入者側の体感としては「新品に近いほど期待値が上がる」ので、クレーム・返品・低評価の火種になりやすいゾーンでもあります。初心者は、無理に「新品」を名乗るより、状態を正直に説明してトラブルを防ぐ方が長期的に安定します。
ここが一番質問が多い:ネット仕入れ(電脳せどり)の「小売店」と「卸問屋(BtoB)」の境界線
電脳せどりで事故が多いのが、「卸から仕入れたつもりが、実は一般向け小売だった」というミスです。
見た目は“仕入れっぽいサイト”でも、一般消費者が普通に買えるなら、その時点で「小売」寄りになります。ここを具体的に見分けましょう。
結論:一般消費者が“会員制なし”で普通に買えるサイトは「小売仕入れ」と考えるのが安全
初心者の安全策としては、次のようなサイト・導線は小売(一般向けEC)寄りと考えるのが無難です。
- 誰でも会員登録だけで買える(事業者確認がない)
- ポイント還元・クーポン・SPUのような“個人向け購買促進”が中心
- 1個単位でカート購入が基本(ロットや掛け率の文化が薄い)
- 「仕入れ専用」より「お買い物」が前面に出ている
- 返品・保証の説明が“家庭の消費者”向けに作られている
このルートで購入した商品は、履歴として「消費者側の流通」を経ている可能性が高く、未開封でも古物側に寄る前提で考えると事故が減ります。
卸問屋(BtoB)寄りの特徴:事業者向け・会員制・卸価格が会員のみ公開
一方で、卸問屋・BtoB仕入れサイト(例:NETSEA、スーパーデリバリー等のような“卸・仕入れ”を掲げるサービス)には、次のような傾向があります。
- 事業者向けの会員登録が前提(屋号・法人/個人事業の情報入力が求められる等)
- 卸価格が会員のみ公開、掛け率・ロット・ケース売りの表現が多い
- 請求書・納品書など証憑が整いやすい(取引を説明しやすい)
- 「仕入れ」「再販売」前提の利用規約・ガイドがある
ただし注意点として、BtoBサイトであっても出店者や商材の性質はさまざまです。初心者は「BtoBっぽい=全部安全」と断定せず、証憑(請求書・納品書等)を残せるか/出品先の規約に耐えられるかまでセットで判断しましょう。
初心者でもできる“境界線チェック”5つ(これで迷いが激減)
- 購入可能な人は誰?:一般個人でも簡単に買える → 小売寄り/事業者前提 → 卸寄り
- 会員登録の中身:本人情報だけでOK → 小売寄り/事業者情報や審査がある → 卸寄り
- 価格の見せ方:個人向けの値引き・ポイント中心 → 小売寄り/掛け率・ロット中心 → 卸寄り
- 取引証憑の出し方:領収書のみで終わる → 小売寄り/請求書・納品書・取引先情報が明確 → 卸寄り
- 規約の文言:「お買い物」中心 → 小売寄り/「仕入れ」「再販売」前提が明記 → 卸寄り
「保証開始」「正規店」は法律というより“販路規約・クレーム”の落とし穴
検索意図で多いのが「保証が始まっていると古物?」という不安ですが、ここは法律の古物判定というより、出品先の規約や購入者の期待値として問題になりがちです。
たとえばAmazonのような販路では、新品コンディションに関して「購入者が正規販売ルートと同等の状態・付属品・保証を受けられること」を求める考え方があり、商品カテゴリや状況によっては新品として扱えないケースがあります。
特に家電は、購入時に保証書へ店印が入る/購入日がオンライン登録される/レシートがないと説明できない、といった理由でトラブルになりやすいので、初心者は次を徹底すると安全です。
- 新品として出すなら、付属品・外箱・保証の説明をテンプレ化
- 証憑(領収書・納品書等)を必ず保管
- 最新のガイドラインを確認し、グレーなら無理に新品で出さない
すぐ判断できる:新品・古物・許可の“安全側”フローチャート(YES/NO)

最短で迷いを減らすため、初心者向けにかなり安全側へ倒した判断フローを置きます(最終判断は実態により異なり得ます)。
- Q1:仕入れ先は一般消費者が普通に買える?(一般向けEC・量販店など)
YES → 小売仕入れ寄り → Q2へ
NO(事業者専用・卸サイト等) → Q3へ - Q2:あなたは転売目的で継続的に売買する?
YES → 古物営業に当たる可能性が高い → 許可や義務(帳簿等)を前提に設計(不安なら管轄警察署へ)
NO(たまに自分の不用品を処分する程度)→ 許可不要のケースが多い(ただし実態次第) - Q3:BtoBでも、証憑(請求書・納品書等)を保管できる?
YES → 説明責任が持てる → 次に販路規約(新品条件)を確認
NO → “卸のつもり仕入れ”で事故りやすい → 仕入れ先を見直す
具体例:週末せどらーがやりがちな「卸だと思い込んだ小売仕入れ」
例:30代会社員が週末にスマホで仕入れ。
「卸っぽいサイト」を見つけて会員登録したものの、実は誰でも買える一般向けECで、ポイント還元も強い。そこで買った未開封の家電を「新品」で出そうとして、
・法律面では「小売で購入→消費者側の流通を経た扱いになり得る」
・販路規約では「新品の条件(保証・付属品・証憑)を満たさない」と見なされ得る
という二段事故が起きます。
この事故を防ぐコツは、「BtoBかどうか」を“サイトの雰囲気”で決めないこと。事業者向け明記・会員条件・価格の見せ方・証憑の出し方まで確認してから、仕入れルートを固定しましょう。
よくある失敗5選と回避策(新品の落とし穴)
失敗1:未開封だから古物じゃないと決めつける
回避策:「状態」ではなく「履歴」で一次判定。小売で買った・個人から仕入れたなら古物側で考え、必要なら早めに相談する。
失敗2:楽天・一般向けECを“卸”だと思って仕入れる
回避策:誰でも買える導線(個人向けポイント施策中心、審査なし)なら小売扱いで考える。卸は「事業者向け」「卸価格は会員のみ公開」など根拠を取りに行く。
失敗3:BtoB仕入れなのに証憑が弱く、真贋・正規性で詰まる
回避策:請求書・納品書・購入履歴など“説明できる証拠”が残る仕入れ先に寄せる。証憑が出ない/出店者が不明瞭なら避ける。
失敗4:Amazonで「新品」出品したが、保証・付属品・証憑で指摘される
回避策:新品で出すなら、保証・付属品・外箱・証憑をテンプレ化。最新ガイドラインを確認し、迷う商品は無理に新品で出さない。
失敗5:「不用品販売のつもり」がいつの間にか継続転売になっている
回避策:継続性・目的が変わると前提も変わります。副業として継続的に回すなら、最初に管轄警察署へ相談して基準を持つのが最短です。
すぐできるチェックリスト:新品っぽい商品を仕入れる前に見る項目
- 仕入れ先はどっち?:一般向け小売EC/事業者向け卸(BtoB)/個人(フリマ等)
- 一般向け小売・個人ルートなら:未使用でも古物側で考え、許可や義務(帳簿等)の確認を前倒し
- BtoBなら:「事業者向け明記」「卸価格は会員のみ」など根拠を確認
- 証憑は残る?:請求書・納品書・購入履歴・仕入れ先情報が明確
- 販路はどこ?:Amazon等なら新品条件(保証・付属品・証憑)を必ず確認
- 迷ったら最短で確認:管轄警察署に「この仕入れ形態をどう考えるべきか」を相談
まとめ:落とし穴は“未開封か”ではなく“履歴”。ネット仕入れは「小売とBtoB」を見分けて事故を減らす
新品の落とし穴は、「未開封かどうか」よりも“一度、消費者側の流通を通った可能性が高いか(履歴)”にあります。
電脳せどりでは、仕入れ先が「一般向け小売EC」なのか「事業者向け卸(BtoB)」なのかを、会員条件・価格の見せ方・証憑の出し方で見分けることが重要です。
さらに、販路規約(特に新品の扱い)はプラットフォームごとに条件があり、最新のガイドライン確認が必須です。法律と規約を分けて考え、グレーな商品ほど安全側の運用に寄せましょう。
次にやること(3ステップ)
- ステップ1:仕入れ先を「一般向け小売」「事業者向け卸(BtoB)」「個人(フリマ等)」に分類する
- ステップ2:一般向け小売・個人ルートは“未使用でも古物側になり得る”前提で、許可や義務(帳簿等)の確認を進める(不安なら管轄警察署へ)
- ステップ3:販路がAmazon等なら、新品出品の条件(保証・付属品・証憑)を確認し、説明文と証憑保管をテンプレ化してから出品する
