導入:古物商許可は「書類を揃えて出すだけ」。ただし不備があると平日に出直しになります
「古物商許可を取りたいけど、警察署に行くのは緊張する…」
「書類が多そうで、何から手を付ければいいか分からない…」
古物商許可の申請は、一見ハードルが高そうに見えますが、実態は必要書類を集めて提出する事務手続きです。試験や面接があるわけではありません。
ただし、書類に不備があると平日の昼間に警察署へ出直しになりがちです。会社員ほど「一発で通す準備」が重要になります。
この記事では、会社員・副業初心者が違法にならずに、できるだけスムーズに申請を終えられるように、申請先・必要書類・手数料・標準処理期間(目安)を、手順書としてまとめます(法的助言ではなく一般情報です。最終判断は管轄警察署の案内に従ってください)。
この記事で分かること:申請先・必要書類・費用・期間を「迷わず動ける順番」に整理
申請で迷うポイントは、ほぼ次の4つです。
- どこに申請する?(都道府県警ではなく「管轄の警察署」)
- 何を出す?(住民票と身分証明書の取り違えが多い)
- いくらかかる?どれくらい待つ?(手数料と処理期間の見通し)
- ネット販売する場合のURL書類が難しい(疎明資料の作り方)
この記事はこの4つを、初心者が実務で詰まりにくい形に落とし込みます。
結論:古物商許可は「管轄署に予約→書類一式提出→標準処理期間の経過」で進む。最短化のカギは“先に書類を揃える”
古物商許可は、基本的に主たる営業所(自宅含む)を管轄する警察署に申請します。手数料は19,000円(新規申請)が一般的です。標準処理期間は、警察側の案内で概ね40日とされることが多いです(書類不備があると延びます)。
「早く終えたい」人ほど、先に警察署へ行きがちですが、最短で終えるコツは公的書類(住民票・身分証明書)を先に取り切り、略歴書の空白を埋め、URL資料(該当者)を用意してから提出することです。
全体の流れ:最短で終える人がやっている「5ステップ」
Step1:営業所(=申請の住所)を決めて、管轄警察署を確定する
個人の副業は多くの場合、自宅=主たる営業所で申請します。まず「申請書に書く住所(主たる営業所)」を決めると、管轄警察署が決まります。
Step2:管轄署に電話して「予約の要否」と「追加書類の有無」を確認
同じ古物商申請でも、警察署によって受付が予約制だったり、確認ポイントが微妙に違うことがあります。電話で次を聞くと二度手間が減ります。
- 申請は予約制か(いつ・何時に行けばよいか)
- 自宅が賃貸の場合、追加資料(使用承諾書など)が必要か
- ネット販売(URL)をする場合、疎明資料は何を出せばよいか
- 管理者は本人でOKか(個人副業は本人=管理者が多い)
Step3:公的書類(住民票・身分証明書)を先に取り切る
最短化の要です。特に「身分証明書」は免許証ではありません(後述)。ここで詰まると、時間が伸びます。
Step4:申請書・略歴書・誓約書を作成し、URL関係(該当者のみ)を用意
略歴書の空白期間、誓約書の署名漏れ、住所表記の不一致などが不備の定番です。提出前に必ずチェックします。
Step5:警察署へ提出→審査→許可証交付
提出後は審査が進み、問題がなければ許可証が交付されます。交付までの期間は目安が示されていることが多いですが、書類不備があると延びる可能性があります。
申請先:どこに行けばいい?(ここを間違える人が多い)
申請先は、原則として主たる営業所の所在地を管轄する警察署です。都道府県警の本部に行くのではなく、あなたの住所(営業所)を管轄する警察署に提出します。
副業初心者の“営業所”はどう決める?
迷う人はこの基準でOKです。
- 自宅で仕入れ・保管・発送・帳簿管理をする→ 自宅を営業所にするケースが多い
- 倉庫や事務所を別に借りて、そこが拠点→ その所在地を営業所にするケースが多い
「どっちが正しいか不安」な場合は、管轄署に「実態として拠点になる場所はここ」と伝えて確認するのが確実です。
必要書類一覧:個人申請でまず揃える“基本セット”
個人(副業)の場合、必要書類は大きく申請書+添付書類です。一般的に、住民票・身分証明書・略歴書・誓約書などが求められます(詳細は管轄署の案内に従ってください)。
| 区分 | 書類(個人の基本) | ポイント |
|---|---|---|
| 申請書 | 古物商許可申請書 | 各都道府県警のページに様式・記載例があることが多い |
| 添付書類 | 住民票の写し(本籍記載・個人番号なし) 身分証明書(本籍地の市区町村発行) 略歴書(最近5年間) 誓約書 | 発行日から3か月以内など期限条件がある場合が多い |
| 該当者のみ | URLの使用権限を疎明する資料 | ネット販売をする場合に求められることがある |
| 必要に応じ | 営業所の見取図、使用承諾書など | 賃貸・場所が分かりづらい等で追加されやすい |
※法人申請の場合は、登記事項証明書・定款・役員全員分の住民票や身分証明書などが増えます。忙しい会社員で「法人で申請する」場合は、必要書類の数が増える点に注意してください。
住民票と身分証明書:初心者が詰まる“取り違え”をゼロにする
住民票:本籍あり/個人番号(マイナンバー)なしで取得する
住民票は、申請で「本籍の記載があるもの」「個人番号の記載がないもの」を求められることが多いです。市役所・区役所で取るときは、窓口でこの一言を添えると失敗しにくいです。
- 「本籍の記載ありでお願いします」
- 「個人番号の記載なしでお願いします」
身分証明書:免許証ではない。本籍地の市区町村で取る“市町長の証明書”
最大の落とし穴です。申請でいう「身分証明書」は、一般に本籍地の市区町村が発行する書類を指します(運転免許証やマイナンバーカードのコピーではありません)。
- 取りに行く場所:本籍地の市区町村
- 窓口での言い方:「古物商許可申請で使う身分証明書(市町長の証明書)」
本籍地が遠い人は、郵送請求できる自治体もあるので、早めに手配すると安心です(自治体の案内に従ってください)。
略歴書の書き方:空白期間を作らない(無職・主婦/主夫期間も“年月を途切れさせない”)
略歴書は「最近5年間」として提出を求められることが多く、空白期間(ブランク)を作らないことが重要です。ここで不備になると、差し戻しや追加確認になりやすいです。
よくある不備:ここで止まりやすい
- 年月が飛んでいる(例:2023/03退職→2023/10入社、間が空欄)
- 「無職」の期間が書かれていない
- 住所・氏名が住民票と表記違い(番地の省略など)
- 会社名だけで、形態や状況が分からない(短期就業など)
空白を埋める書き方(例)
- 2021年4月〜2023年3月:株式会社〇〇(正社員)
- 2023年4月〜2023年8月:無職(転職活動のため)
- 2023年9月〜現在:株式会社△△(正社員)
“きれいに見せる”より、事実を年月で連続させるのがポイントです。
URLの使用権限を疎明する資料:Amazon・メルカリ等で詰まりやすいポイントを先回り
ネット販売をする場合、「URLの使用権限があることを疎明する資料」を求められることがあります。ここは管轄署の運用で差が出やすいので、電話で確認するのが最短です。
まず大前提:求められる“疎明資料”は管轄署で運用が違う
電話でこのように聞くのが一番確実です。
- 「ネット販売予定です。利用するのは(例:メルカリ/Amazon)です。URLの疎明資料は何を提出すればよいですか?」
自社サイトの場合:ドメインの権限が分かる資料が出しやすい
自社サイトなら、ドメインの登録情報(WHOIS)や契約情報などで「管理者である」ことを示しやすいです(どれが必要かは管轄署に確認してください)。
Amazon・メルカリなど“プラットフォーム利用”の場合:基本は「自分のページであることが分かる画面」を印刷
プラットフォーム型はドメインがあなた名義ではないので、実務的には「自分のアカウント(ショップ)である」ことが分かる画面を印刷して対応するケースが多いです(最終判断は管轄署)。
スクリーンショット(印刷)のコツ:この3点を同じ紙に入れる
- URLが画面に写っている(ブラウザのアドレスバーも含める)
- 屋号・氏名・アカウントIDなど、本人性が分かる表示
- 加工しない(必要情報が消えるトリミングは避ける)
具体例(作り方のイメージ)
- Amazon:出品者名が表示されるページ(ストアフロント/出品者情報など)+URLが写る状態で印刷
- メルカリ:プロフィールなど「自分のアカウント」であることが分かるページ+URLが写る状態で印刷
- ヤフオク等:出品者ページ(評価ページ等)+URLが写る状態で印刷
「どの画面を出すか」で迷ったら、印刷候補を2〜3枚用意して窓口で見せて確認すると、その場でOK/NGを判断してもらいやすいです。
手数料・標準処理期間:いくらで、どれくらい待つ?
手数料:19,000円(新規申請)
新規申請の手数料は19,000円が一般的です。支払い方法(収入証紙・現金など)や購入場所は管轄署によって案内があるので、予約電話のときに確認してください。
標準処理期間:概ね40日(目安)
許可証交付までの期間は、案内で概ね40日が目安とされることが多いです。書類不備・確認事項があると延びる可能性があります。副業開始の予定がある人は、余裕を見て動くのがおすすめです。
実費の目安:住民票・身分証明書などの発行手数料も見込む
警察に払う19,000円のほか、住民票・身分証明書など自治体発行の手数料、郵送請求なら郵送料がかかります。金額は自治体で異なるため断定はできませんが、“公的書類の発行費”が別途あることは押さえておきましょう。
忙しい会社員向け:行政書士に依頼する選択肢(費用と向き不向き)
自力申請が基本ですが、平日に動けない人は「時間をお金で買う」選択肢もあります。
行政書士に頼むと何がラクになる?
- 書類の作成・不備チェックを任せられる
- 警察署との事前調整(必要書類のすり合わせ)がスムーズになりやすい
- あなたは「公的書類を集める」ことに集中できる
費用の目安:報酬は数万円台が多い(別途、申請手数料19,000円)
行政書士報酬は事務所・地域・対応範囲で変わります。相場感としては数万円台で提示されることが多いですが、必ず複数事務所の見積もりと対応範囲(何をやってくれるか)を確認してください。
依頼した方がいい人/自力で十分な人
- 依頼向き:平日に全く動けない/書類が苦手/法人申請/営業所が複数
- 自力向き:書類作成が苦ではない/個人で自宅1拠点/管轄署に電話できる
よくある不備・やり直しポイント:ここだけ潰せば一発で通りやすい
不備1:身分証明書を免許証のコピーで済ませてしまう
回避:本籍地の市区町村が発行する「身分証明書」を取得する(免許証ではない)。
不備2:住民票にマイナンバーが載っている
回避:取得時に「個人番号の記載なし」を指定する。
不備3:略歴書の5年に空白がある
回避:無職・主婦/主夫期間も含めて、年月が途切れないように書く。
不備4:URL疎明資料が弱い(URLが写っていない・本人性が分からない)
回避:URL(アドレスバー)+氏名/屋号/IDが同一画面に入る印刷を用意する。迷ったら候補を複数作って窓口で確認。
不備5:賃貸物件で営業所の使用関係が確認できず追加書類
回避:賃貸契約書などを手元に置き、必要になったらすぐ出せるようにする(必要性は管轄署判断)。
すぐ使えるチェックリスト:申請前日にこれだけ確認
- 主たる営業所の住所が決まっている(管轄警察署が確定)
- 管轄署に電話し、予約の要否と追加書類の有無を確認した
- 住民票:本籍記載/個人番号なしで取得した
- 身分証明書:本籍地の市区町村で取得した
- 略歴書:最近5年が空白なしで埋まっている
- 誓約書:署名・日付の記入漏れがない
- ネット販売予定がある場合:URL疎明資料を印刷した(URL+本人性が分かる)
- 手数料19,000円の支払い方法(証紙等)を確認した
まとめ:古物商許可は「管轄署確認→公的書類→略歴書(空白なし)→提出」でスムーズに終えられる
古物商許可の申請は、主たる営業所を管轄する警察署に申請し、住民票・身分証明書・略歴書・誓約書などを提出する流れが基本です。手数料は19,000円、交付までの期間は概ね40日が目安として扱われることが多いです。
最短で終えるコツは、警察署に行く前に「住民票・身分証明書」「略歴書(空白なし)」「URL疎明資料(該当者)」を固めること。これだけで“出直し”の確率が下がります。
次にやること(3ステップ)
- ステップ1:主たる営業所(多くは自宅)で管轄警察署を特定し、予約の要否・必要書類の追加条件を電話で確認する
- ステップ2:住民票(本籍あり・個人番号なし)と身分証明書(本籍地発行)を先に取得する
- ステップ3:略歴書(空白なし)と誓約書を完成させ、ネット販売予定ならURL疎明資料を印刷して提出する
