「翻訳の副業に興味はあるけど、帰国子女でもないし、プロレベルの英語力がないと無理?」
「AI翻訳がこれだけ進化しているのに、今から未経験者が参入して仕事はあるの?」
翻訳は在宅でできる人気の副業ですが、AIの台頭で「求められるスキル」が変わりつつあります。実は今、現場で不足しやすいのは“ゼロから訳す人”というより、訳文をチェックし、違和感のない日本語に整え、用語を統一できる人です。
ただし、初心者がつまずきやすい落とし穴もあります。代表例が①無料翻訳ツールに機密文書を入れてしまう情報漏えいリスクと、②「テスト翻訳」と称したタダ働き(搾取)です。ここを知らずに始めると、案件以前にトラブルに巻き込まれかねません。
この記事では、30代会社員・副業初心者(週末2時間)を想定し、初心者が最初に狙うべき案件、案件の探し方、学び方(納品品質の作り方)に加え、無料ツールの規約リスクとテスト搾取の回避策まで、手順書としてまとめます(収益を保証する内容ではありません)。
この記事で分かること
- 初心者が狙いやすい翻訳案件の種類と、避けた方がいい案件
- 週末2時間で進める学習ロードマップ(1ヶ月の動き方)
- 品質を担保する「翻訳チェックの型」
- 案件の探し方(クラウドソーシング→プラットフォーム→直案件の順)
- 無料翻訳ツールの二次利用・学習リスクと安全な使い方
- 「テスト翻訳」搾取の見抜き方と自衛策
なぜ今「翻訳副業」で迷う人が多いのか
翻訳は「英語ができれば稼げそう」と思われがちですが、初心者が止まりやすい理由は主に3つです。
- 英語力より“納品品質”が問われる:直訳で読みにくい/用語が揺れる/表記がバラつくと、評価が落ちやすい
- 案件の難易度差が激しい:商品説明と契約書は別競技。初心者が難所に突っ込むと消耗する
- 便利ツールの使い方で事故る:無料翻訳やAIに機密を入れてしまい、NDA違反の火種になる
だからこそ、初心者の勝ち筋は「英語を完璧にする」より先に、勝てる案件に絞る+品質を作る手順を固定する+安全ルールを決めることです。
翻訳副業の全体像:初心者が狙うべき案件の選び方
最初におすすめなのは、専門知識が不要で、文章が短く、用語が限定されやすい案件です。逆に、法律・医療・金融などは難易度と責任が跳ね上がるため、最初は避けるのが無難です。
| 案件タイプ | 例 | 初心者相性 | つまずきポイント |
|---|---|---|---|
| 短文・定型の翻訳 | 商品説明、アプリの短い文言、FAQ | ◎ | 自然な言い回し、表記統一 |
| UIローカライズ(軽め) | ボタン名、通知文、ヘルプ | ○ | 用語統一、文字数の圧縮 |
| 字幕(短尺) | Shorts/TikTok用字幕 | ○ | 要約力、読み速度に合わせた文字数制限 |
| 記事翻訳(長文) | ブログ記事、コラム | △ | 工数が重い、構成と読みやすさ |
| 専門翻訳 | 契約書、医療、投資、特許 | ×(最初は避ける) | 責任・精度・監修が必要 |
初心者が最初に狙うべき“3つの条件”
- 短い:週末2時間で終わる分量(数百〜数千文字)
- 用途が明確:「誰にどう読ませたいか」が見える(商品説明、UI文言など)
- 専門性が薄い:調べれば用語が出てくる一般領域
具体例:週末2時間の会社員が「最初の1件」を取るまで
30代会社員のユウさん(仮)を例にします。
- 英語は海外サービスを読む程度
- 週末に2時間だけ確保できる
- 品質に自信がなく、応募が怖い
ユウさんが最初に狙うのは長文記事ではなく、短い商品説明やアプリ文言。そして「英語力で勝負」ではなく、チェックリストでミスを減らすことを武器にします。最初のゴールは“翻訳者になる”ではなく、「決めた手順で納品できる人になる」です。
初心者が取り組みやすい選択肢(案件タイプ別)
1)商品説明・EC周り(短文中心)
定型が多く、語彙が限定されやすいので初心者向き。誇張表現や断定を勝手に強めず、原文のニュアンスを守るのがポイントです。
2)UIローカライズ(アプリ/サイトの文言)
短い言葉の翻訳が中心ですが、同じ概念を同じ言葉で統一できないと品質が落ちます。ここで「用語集」が効きます。
3)字幕(短尺)
字幕は「訳す」だけではなく、読む速度に合わせて圧縮する必要があります。目安として1秒あたり4文字のような文字数制限(ルール)が設定されることがあり、要約力が特に問われます。最初はタイムコードなし・短尺からが安全です。
4)MTPE(機械翻訳のポストエディット)
AI翻訳後の文章を整える仕事。初心者でも参入しやすい一方で、AIの誤訳や意味ズレを見抜けないと事故ります。必ず原文と突き合わせて意味確認が必須です。
案件の探し方:初心者が安全に始める順番
初心者ほど、まずは仕組みが整っている場所で小さく実績を作るのが安全です。
ステップ1:クラウドソーシングで「短文・分量明確」を探す
- 「翻訳」だけでなく「英語 商品説明」「英語 アプリ文言」「ローカライズ」「MTPE」でも検索
- 最初は“納品物の分量が明確”な案件だけに応募する
- 「テスト翻訳」には次項の自衛策を適用する
ステップ2:翻訳・ローカライズ系のプラットフォームも検討
評価制度があり継続につながることがあります。審査がある場合もあるので、まずは学習と実績作りを優先でOKです。
ステップ3:実績ができたら小さく直案件へ
直案件は条件が良いこともありますが、トラブル時の自衛が必要。最初は焦らず、見積もり・納品の型を作ってからにしましょう。
重要:無料翻訳ツールの“二次利用・学習リスク”と安全な使い方
翻訳副業で本当に怖いのは「訳のミス」より、情報漏えい(NDA違反)です。初心者がやりがちなのが、便利だからとDeepLやGoogle翻訳などの無料版に、企業の未公開情報をそのまま入力してしまうこと。
無料ツールは、入力データがサービス側のサーバーに送信・保存され、サービス改善(学習)に利用され得る旨が規約やポリシーに含まれるケースがあります。つまり、機密文書を入れた時点で「第三者に渡した」と見なされ、契約違反になり得ます。
安全策はこの3つです。
- 原則:クライアントの許可がない限り、機密性のある本文を無料翻訳・外部AIに入力しない
- 使うなら:入力データが学習に使われない契約(例:有料版/法人向け)を検討する
- どうしても必要なら:固有名詞や数値など機密部分を伏せ字にしてから入力し、最後に手で戻す(それでも許可確認が最優先)
「AIを使ってはいけない」ではなく、“許可された範囲で、情報を守りながら使う”が正解です。
詐欺・搾取対策:「テスト翻訳」タダ働きを避けるルール
クラウドソーシングで注意したいのが、「トライアル(テスト翻訳)」と称して、実案件を分割し、複数の応募者にタダで訳させて持ち逃げする手口です。全てが詐欺ではありませんが、初心者は自衛ルールを持っておくべきです。
危険度が高いテスト翻訳の特徴
- 分量が異常に多い:例としてA4用紙1枚以上、数千文字など(テストの範囲を超えている)
- テストの目的が曖昧:評価基準やフィードバックがない
- そのまま使えそうな文章:商品ページや公開物に転用できそうな内容
- 報酬がゼロ or 極端に低い:しかも分量が重い
初心者の自衛策(これだけは守る)
- テストは短く:数百文字程度までを目安にする(長いなら断る)
- 目的と範囲を確認:「テストは採用判定のみで、実利用しないですよね?」と明確にする
- 契約成立前の権利譲渡を避ける:安易に「成果物の全権利譲渡」を受けない
- 不安なら提案で代替案:「テストは300文字でどうでしょう?」と提案する
断るのは怖いですが、テストで消耗してしまうと、本末転倒です。安全に続けるための線引きと考えてください。
学び方:週末2時間で伸びる「翻訳スキルの鍛え方」
伸びやすい学び方は、勉強量を増やすより、アウトプット→修正→型化を回すことです。
学習の優先順位(遠回りしない順)
- ①日本語力(整える力):読みやすい日本語に直すのが翻訳の半分
- ②用語統一:用語集を作り、揺れを消す
- ③原文理解:曖昧な箇所を勝手に補わず、調査・確認する
- ④ツール:辞書・例文検索・文脈確認(使い分けが武器)
初心者が使いやすい辞書・ツール例(迷ったらこれ)
- 英辞郎 on the WEB:語彙が豊富で実務寄り
- Weblio:例文検索がしやすい
- Linguee:文脈ごとの訳例が見やすい(鵜呑みはせず参考に)
週末2時間で回す「1ヶ月ロードマップ」
1週目:環境と型を作る
- 辞書・例文サイトを3つ決める(上の候補からでOK)
- 用語集テンプレ(スプレッドシート)を作る
- 翻訳チェックリスト(後述)をコピペして固定化
2週目:短文を30本訳して“揺れ”を潰す
- 商品説明やUI文言を集めて短文翻訳を量産
- 同じ言葉は同じ訳語に統一し、用語集に追記
3週目:自作サンプルを2本作る
- 「架空のアプリのUI文言」「架空の商品説明」など自作素材で作る
- ※注意:他人の著作物(記事や書籍)の無断翻訳公開は避ける
- 用語統一の方針を1〜2行添えて、丁寧さを見せる
4週目:小さな案件に応募→差し戻しを資産化
- 短文・分量明確な案件に絞って応募
- 修正が入ったら、用語集・チェックリストに反映
品質が不安な人へ:評価される「納品の整形術」
品質不安は“才能”より“手順”で減らせます。翻訳は提出前のチェックで強くなります。
翻訳チェックの型(コピペで使える)
- ①意味:主語・目的語・時制がズレていないか
- ②数字・固有名詞:金額、日付、単位、型番、URL、社名のミスがないか
- ③用語統一:同じ単語を同じ訳語で統一できているか
- ④日本語:直訳で不自然になっていないか(助詞・語順)
- ⑤表記:全角/半角、句読点、カッコ、記号の統一
- ⑥読みやすさ:1文が長すぎないか、箇条書きにできないか
よくある失敗5選と回避策
失敗1:無料翻訳ツールに機密情報を入れてしまう
回避策:許可なし入力はしない。使うなら学習されない契約や伏せ字などの対策。
失敗2:テスト翻訳が重すぎて消耗、または持ち逃げされる
回避策:短い分量に限定。目的と範囲を明確に。権利譲渡条項に注意。
失敗3:用語がブレて“雑”に見える
回避策:用語集を作り、案件ごとに更新して統一する。
失敗4:AI訳文を鵜呑みにして意味がズレる
回避策:AIは下書き。原文と突き合わせて意味確認をする。
失敗5:工数見積もりが甘く週末2時間で終わらない
回避策:最初は短文・分量明確だけ。長文は慣れてから。
向いている人/向いていない人
向いている人
- 数字や表記のチェックを丁寧にできる
- 用語統一やルール化が得意
- 分からない点を調べたり確認できる
- 短時間でも積み上げられる
向いていない人(工夫でカバー可能)
- 完璧主義で提出できない(→短文案件で提出経験を積む)
- 調べ物が苦手(→用語集で“調べた結果”を資産化)
- 長文が好き(→まず短文で勝ってから長文へ)
まとめ:チェックリストと次にやること
翻訳副業の最短ルートは、英語を完璧にすることではなく、短文・定型・一般領域の案件に絞り、チェック手順で品質を担保し、無料ツール利用やテスト搾取などのリスクを避けることです。AI時代だからこそ、求められるのは「自然さ」「用語統一」「安心して任せられる丁寧さ」。週末2時間でも、小さく実績を積めば前に進めます。
すぐできるチェックリスト(保存推奨)
- 最初は短文・定型・一般領域に絞ると決めた
- 用語集テンプレを作った(案件ごとに更新する)
- 翻訳チェック(意味/数字/用語/日本語/表記/読みやすさ)を毎回通す
- 機密情報は許可なく無料翻訳・外部AIに入力しない
- テスト翻訳は短く、目的・範囲を確認し、権利譲渡に注意する
次にやること(3ステップ)
- 今日:用語集テンプレとチェックリストを用意して「品質の型」を作る
- 今週末:短文を30本訳し、用語統一ルールを用語集に溜める
- 来週末:短文案件に絞って応募し、テスト翻訳の分量・条件を必ず確認する
