「副業で文字起こしをやってみたいけど、タイピングが特別速いわけでもないし、未経験の私に務まるのかな?」
「平日は1時間くらいしか作業できない。そんな短時間で、納期を守って評価される納品なんてできるの?」
特別なスキルが不要に見える「文字起こし・議事録」の副業ですが、実は“ただ音声を文字にするだけ”だと単価も上がりにくく、消耗戦になりやすいのが現実です。
一方で、未経験でも評価されやすい道もあります。それが、タイピング速度ではなく読みやすく整える「整形力」と、ミス・手戻りを減らす「納品の型」を先に作ること。そしてもう一つ大事なのが、企業の会議音声を扱う以上、AI活用には情報セキュリティ上のルールがあると理解しておくことです(収益を保証する内容ではありません)。
この記事では、30代会社員・副業初心者(平日1時間)を想定して、文字起こし副業の始め方から、評価される整形術、AI活用の注意点、現実的な工数見積もり、地雷案件の避け方までを手順書としてまとめます。
この記事で分かること
- 文字起こし・議事録副業の仕事内容と、未経験の始め方
- 評価が上がる「整形」の具体手順(そのまま使える型)
- AI活用の現実的な使い方と、情報セキュリティ上の注意点
- 平日1時間で無理をしない工数見積もり(最初は何分音声が限界か)
- 単価が不安な人のための「地雷案件回避」と価格の考え方
文字起こし・議事録副業の全体像
「文字起こし」といっても、求められる成果物はいくつかに分かれます。未経験の方が最初に知っておくべきなのは、“聞こえた通りに全部書くほど難易度が上がる”ということ。会話は言い直しが多く、言葉が重なり、話が飛びます。それを「読み返してすぐ使える形」に整えるのが価値になります。
| タイプ | 概要 | 評価されるポイント |
|---|---|---|
| 素起こし | 言い淀み・口癖も含めて基本そのまま | 聞き取り精度、話者分け、固有名詞の確認 |
| ケバ取り | 「えー」「あの」など不要語を削り読みやすく | 意味を変えずに整える、読みやすい改行 |
| 整文・議事録 | 要点整理、決定事項、ToDo化まで行う | 要約力、構造化、見出し・箇条書きの設計 |
副業で継続しやすいのは、最終的に「議事録(整文)」に寄せられる人です。まずはケバ取りで「整える感覚」を身につけ、慣れたら議事録・要約に広げるのが、平日1時間の人でも現実的なルートです。
【現実】平日1時間は短い:初心者の工数見積もりを甘くしない
ここは最重要です。文字起こしは、初心者ほど時間がかかります。一般的に、音声1分に対して数分〜十数分の作業が必要になり、慣れるまでは「音声時間の6〜10倍」程度の作業時間を見込むと安全です(内容の難易度・話者数・音質で大きく変動します)。
つまり平日1時間(60分)で「確実に納期を守る」ために、最初に選ぶべきは次のような案件です。
- まずは音声5分程度(ケバ取り中心)
- 話者は1〜2名
- 専門用語が少ない(雑談・社内定例など)
- 起こし方が明確(ケバ取り指定、テンプレあり)
「10〜15分音声なら1時間でいけそう」と思いがちですが、整文や要約まで入れると伸びやすいです。最初は“短すぎるくらい”から始めた方が、納期遅れや徹夜を防げます。
未経験が最初の1ヶ月でやること(平日1時間ロードマップ)
最初の1ヶ月は、スキルよりも「時間内に納品できる型」を作る期間です。完璧主義は封印し、手順を固定しましょう。
1週目:作業環境とテンプレを作る
- イヤホン(両耳)を用意
- 再生速度変更・巻き戻しがしやすいプレイヤーを決める
- 議事録テンプレ(決定事項・ToDo・要点)を作る
- ショートカット(停止/巻き戻し/早送り)を覚える
プレイヤーは「迷わないこと」が大事です。例として、音声を聞きながら停止・巻き戻しを繰り返す用途では、Express Scribe(無料版あり)のような定番ツールを使う人もいます。最初は“使い慣れたもの”でOKなので、まず固定してください。
2週目:短い音声(5分)で「整形だけ」練習
- 短い音声(まずは5分)でケバ取り練習
- 話者はA/B表記で分ける(完璧な個人特定は不要)
- 読みやすい改行と句読点だけに集中する
3週目:要約の練習(議事録の骨格)
- 全文の前に「決定事項・ToDo」を先に抜き出す
- 議題ごとに見出しをつけて並べる
- 曖昧な箇所は「要確認」として残す癖をつける
4週目:小さな案件に応募→納品フローを回す
- 「音声5分」「ケバ取り」「話者1〜2名」から応募
- 納品前チェックリストでミスを減らす
- 初回は“速さ”より“丁寧さ”(報連相・確認姿勢)で評価を取りにいく
未経験でも評価される整形術:読みやすさは“設計”で決まる
評価が上がるのは、聞き取りの正確さだけではありません。クライアントが本当に欲しいのは、「読んでそのまま社内共有できる文章」です。整形はセンスではなく順番で作れます。
整形の基本手順(この順番を守る)
- ①改行:意味の切れ目で改行し、会話の塊を作る
- ②話者:A/B、司会/参加者など表記を統一する
- ③ケバ取り:不要語を削る(削りすぎて意味を変えない)
- ④文章化:句読点・主語補いで読みやすくする
- ⑤構造化:議題→結論→理由→次アクションに並べる
“見た目”で評価が上がる3ルール
- 1文を短く:長文は2〜3文に割る
- 箇条書きに逃がす:決定事項・ToDoは文章にしない
- 見出しを付ける:議題が2つ以上なら必ず分ける
そのまま使える:議事録テンプレ(納品フォーマット例)
指定がない場合、次の形式に寄せると親切です(指定があれば最優先で合わせます)。
- 会議名:○○定例
- 日時:YYYY/MM/DD
- 参加者:A、B、C
- アジェンダ:1) ○○ 2) △△
■決定事項
- ○○は来週までにAが案を作成する
■ToDo(担当/期限)
- A:○○案作成(期限:MM/DD)
■議題1:○○
・論点:…
・結論:…
・補足:…
■参考:全文(ケバ取り)
(必要な場合のみ添付)
最初に「決定事項・ToDo」を置くだけで、使いやすさが跳ね上がります。議事録で評価される人は、ここを必ずやっています。
【最重要】AI活用の現実:時短になるが“情報セキュリティ”で詰むことがある
AI文字起こし(音声→テキスト)は時短になりますが、議事録業務は企業の会議音声を扱うことが多く、ここでミスると大きなトラブルになります。
※注意:機密情報が含まれる音声を、Web上の無料変換サイトや、学習機能がONの状態のクラウドAIに安易にアップロードするのは危険です。データが第三者サーバーに残る可能性があり、案件によっては秘密保持(NDA)違反として問題になることがあります。
AIを使う前に必ず確認する3点
- クライアントの許可:AI使用可否、使用できるツールの指定があるか
- データの扱い:音声・テキストを外部サービスへアップしてよいか(禁止なら使わない)
- 最終責任:AIは下書き。固有名詞・数字・期限は人間が確認する
安全寄りの運用ルール(初心者向け)
- 許可がない限り、会議音声を“無料Webツール”へ投げない
- どうしてもAIを使うなら、クライアントが指定した環境・ツールに従う
- 個人判断で「便利そうだから」で運用を変えない(ルール違反が一番危険)
ここは怖がりすぎくらいでちょうどいいです。副業で一度信用を落とすと、継続依頼が止まります。AIは“使うこと”より、使い方を守ることが評価につながります。
単価が不安な人へ:相場より先に“地雷案件”を避ける基準を持つ
単価は案件によって幅が大きく、「相場はいくら」と断定すると誤解が出やすい分野です。そこで初心者は、まず時給換算で自分を守り、消耗する案件を避けましょう。
時給換算の考え方(最低限)
- (報酬)÷(実作業時間)=時給換算
- 実作業時間には、確認・修正・納品メッセージも含める
- 最初は時間がかかる前提で、短尺案件で速度を測る
地雷案件のサイン(避ける目安)
- 音声が長いのに報酬が極端に低い(時給換算が崩壊しやすい)
- 起こし方の指示が曖昧(修正が増えて工数が伸びる)
- 納期が異常に短いのに、内容が重い(初心者には危険)
特にクラウドソーシングには、作業量に対して報酬が釣り合わない募集も混在します。時給換算して自分が納得できない水準なら、断る勇気が長く続けるコツです。
案件の取り方:未経験が勝ちやすい応募戦略
未経験は、いきなり高難度案件に挑むより、「確実に納品できる」案件で評価を積むのが近道です。平日1時間の制約があるなら、応募時点で次をセットで伝えると信頼されます。
狙い目の案件条件(初心者向け)
- 音声はまず5分前後
- 話者1〜2名、音質が良い
- ケバ取り指定、テンプレあり
- 機密度が高そうな案件は、取り扱いルールを確認できる
応募文で差がつく一言(コピペOK)
- 「決定事項・ToDoを上部に整理し、読み返して使える形式で納品します」
- 「不明箇所は推測せず、タイムスタンプ付きで要確認として明記します」
- 「AI利用は貴社ルールに従います(許可のない外部ツールへのアップロードは行いません)」
“文章がうまい”より、事故らない姿勢の方が評価されます。副業初心者の強みは、むしろここです。
具体例:平日1時間の会社員が「評価される納品」を作る流れ
例:ユウさん(34歳・会社員)
平日1時間(22:00〜23:00)だけ作業可能。最初は単価が不安で、長めの案件に手を出したくなる。
ユウさんは最初、音声5分のケバ取り案件を選び、次の順番で整形しました。
- ①先に「決定事項」「ToDo」を抜き出して冒頭に配置
- ②話者をA/Bに統一し、意味の塊ごとに改行
- ③固有名詞・数字・期限だけ音声で再確認
- ④不明箇所は推測せず、[要確認 03:12]で明記
結果、「そのまま社内共有できた」「ToDoが助かる」と評価され、次回も指名で依頼が来るように。平日1時間の人は、最初から“長尺で稼ぐ”ではなく、短尺で品質と型を作る方が継続につながります。
よくある失敗5選と回避策
失敗1:10〜15分音声に挑んで時間が足りなくなる
回避策:最初は5分程度から。慣れるまでは「音声10分=2時間以上」くらいを見込む。
失敗2:AIの誤変換を放置して納品する
回避策:固有名詞・数字・期限は必ず音声で再確認。AIは下書き。
失敗3:推測で埋めて意味が変わる
回避策:聞き取れない箇所は要確認+タイムスタンプで残す。
失敗4:機密音声を無料Webツールへアップしてしまう
回避策:許可がない限り外部アップロードしない。ルール確認が最優先。
失敗5:指示が曖昧な案件で修正地獄になる
回避策:起こし方(素/ケバ/整文)と納品形式を最初に確認し、テンプレで統一。
向いている人/向いていない人
向いている人
- 丁寧に確認できる(固有名詞・数字チェックが苦じゃない)
- 文章を“整える”のが好き(見出し・箇条書きで整理できる)
- ルール通りに進めるのが得意(テンプレ運用)
向いていない人(ただし工夫でカバー可能)
- 完璧主義で時間が溶ける(→まずは“使える形”で納品)
- 細かい確認が苦手(→確認箇所を数字/名詞/期限に絞る)
- 長時間集中が難しい(→短尺案件で区切って処理)
まとめ:チェックリストと次にやること
文字起こし・議事録副業で未経験が評価される鍵は、タイピング速度ではなく整形(構造化)と納品の型です。平日1時間は想像以上に短いので、最初は音声5分程度から始め、作業時間の見積もりを安全側に寄せましょう。そしてAI活用は便利な反面、議事録業務では情報セキュリティが最優先です。許可のない外部アップロードは避け、ルールに従って使うほど信頼されます。
すぐできるチェックリスト(保存推奨)
- 納品タイプ(素起こし/ケバ取り/議事録)を説明できる
- 議事録テンプレ(決定事項・ToDoが上)を用意した
- 整形の手順(改行→話者→ケバ取り→文章化→構造化)を固定した
- 工数見積もりを安全側にした(最初は音声5分、慣れるまで6〜10倍)
- AI利用は「許可・ルール優先」「外部アップロードは慎重」方針を持った
- 確認ポイント(固有名詞・数字・期限)を決めた
- 地雷案件のサイン(長尺×低報酬×指示曖昧)を覚えた
次にやること(3ステップ)
- 今日:議事録テンプレを作り、音声5分で「整形の手順」を一度通してみる
- 今週:自分の作業速度を測り、平日1時間で処理できる案件条件(音声分数・納品タイプ)を決める
- 来週:短尺案件に応募し、「決定事項・ToDoを上に整理」「要確認は明記」「AIはルール順守」を徹底して評価を取りにいく
