【副業】経費はどこまでOK?家賃・スマホ・PCの家事按分と減価償却で否認されない“証拠の残し方”完全ガイド

副業の経費は「必要性(収入に直結)」「証拠(用途が説明できる)」「按分の合理性(家事と区分)」の3点が揃えばOK。家賃・スマホ・PCは“家事按分と減価償却”を外すと否認リスクが上がる

「自宅の家賃もスマホ代も、全部経費にして節税したい」
「カフェで作業したコーヒー代も経費でしょ?」
──副業を始めたばかりの人ほど“経費=得”に目が行きがちです。

でも、在宅副業(ブログ・せどり・業務委託)は生活費と混ざる支出が多く、やり方を間違えると「これはプライベートですね」と否認されやすい領域でもあります。

必要経費にできるのは「総収入金額を得るために直接要した費用」などで、家事(生活)と業務が混ざる費用(家事関連費)は、取引の記録などに基づき“業務上必要な部分が明らかに区分できる金額”に限る、という考え方が示されています。

この記事では、家賃・スマホ・PCを中心に、税務署に突っ込まれにくい「否認されない形」の作り方を、チェックリスト付きで解説します。
※税務は個別事情で変わります。本記事は一般情報として、最終判断は国税庁の案内・税務署・税理士等へご確認ください。

なぜ「副業の経費どこまで問題」が起きるのか:在宅副業は“家事と業務”が混ざるから

副業の経費で揉めるのは、だいたい次の3つです。

  • 家賃・光熱費:生活費でもあり、作業環境のコストでもある
  • スマホ代:私用と仕事用が混ざりやすい(連絡、撮影、SNS運用など)
  • PC代:仕事で必須でも、私用利用が混ざりやすい/高額だと処理が変わる

これらは家事関連費になりやすく、「業務分だけを区分できる根拠」がないと否認リスクが上がります。

まず押さえる:否認されない経費の3原則(この3つで判断する)

原則1:収入に結びつく「業務上の必要性」が説明できる

「趣味」「なんとなく便利」では弱いです。
“副業収入を得るために必要だった”と説明できるかが出発点になります。

原則2:「証拠(取引の記録)」が残っている

レシート・領収書だけでなく、家事関連費は特に「取引の記録などに基づく区分」が重視されます。
おすすめは、レシートに一言メモ、またはスマホで用途メモを残すことです。

原則3:家事按分は「合理的」+「毎年ブレない」

按分比率に“唯一の正解”はありません。
大事なのは、筋が通っていて、説明できて、毎年同じ基準で運用できること。年によって都合よく比率が上下するほど疑われやすくなります。

【すぐ使える】否認されない形にするチェックリスト(家賃・スマホ・PC共通)

まずはここを満たすだけで「経費の形」が整います。

  • その支出が「副業収入を得るために必要」と一言で説明できる
  • 領収書・レシート・請求書・クレカ明細など、支出の証拠がある
  • 証拠に「用途メモ」を残している(例:どの記事の取材費か、どの案件の素材か)
  • 家事按分する支出は、按分の根拠(面積・時間・利用実績など)を作っている
  • 按分比率は毎年同じ基準で計算できる(ブレない)
  • PCなど高額品は「10万・20万・30万」のラインで処理を選んでいる
  • 所得税・住民税・罰金など、必要経費にならないものを混ぜていない(後述)
  • 帳簿・書類を保存している(白色/青色でルールが違う)

ケース別:副業で経費にしやすいもの(ブログ・せどり・業務委託)

ここは「OK/NGの空気感」を掴むパートです。最終的には、必要性・証拠・按分の3原則で判断します。

ブログ・アフィリエイト(在宅)

  • サーバー代、ドメイン代、有料テーマ/プラグイン、画像編集・SEOツール等のサブスク
  • 取材の交通費、取材先の入場料(記事に紐づけて説明しやすい)
  • 記事作成のための書籍・資料(用途メモがあると強い)

せどり・物販

  • 仕入(売上原価)、送料、梱包材、販売手数料、決済手数料
  • 外注費(検品・発送代行など)、必要な備品(高額なら減価償却の検討)

業務委託(ライター・デザイン・動画編集など)

  • 業務ソフト(Adobe等)、フォント、素材購入
  • 打合せの交通費、業務に必要な通信費(按分がカギ)
  • 外注費(編集・サムネ作成など)

よく検索される「カフェ代」は経費になる?結論:状況次第だが“根拠メモ”がないと弱い

「副業 経費 カフェ代」は超定番の悩みです。ポイントは、支出が“業務のため”だと説明できるか。

  • 否認リスクが上がりやすい例:一人でPC作業しただけで、業務との結びつき説明が弱い/日時・用途メモがない
  • 説明しやすい例:取引先や外注さんと打合せ(相手の氏名・用件メモがある)/取材の待ち時間に必要だったなど、業務目的が具体的

同じコーヒー代でも、「いつ・誰と・何のために」を残しているかで強さが変わります。迷うなら、無理に入れず“保留”にするのも安全な判断です。

本題①:家賃を経費にする「家事按分」の作り方(否認されないための型)

家賃は家事関連費の代表です。家事関連費のうち必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて“業務上必要な部分が明らかに区分できる金額”に限る、という整理がされています。

按分の基本は2パターン(面積×時間が一番説明しやすい)

  • 面積按分:仕事スペースの床面積 ÷ 自宅全体の床面積
  • 時間按分:仕事に使った時間 ÷ 自宅(または部屋)の総使用時間

在宅副業で多い「リビングで作業」は、面積だけだと弱くなりやすいので、時間の要素を混ぜると説明が通りやすくなります。

根拠セット(これがあるだけで強くなる)

おすすめは次の3点を“まとめて保存”です。

  • 間取り図(手書きでOK):仕事スペースを色で囲う
  • 仕事スペースの写真:机・PC・棚など“仕事環境”が分かる
  • 作業時間メモ:週の稼働時間(ざっくりでよいが継続して残す)

注意:同居家族に払う家賃は原則NG

生計を一にする配偶者その他の親族に支払う地代家賃などは必要経費にならない、という整理があります(例外として固定資産税等の扱いに触れた説明もあります)。
「家賃を親に払っている体で経費化」は危険なので避けましょう。

本題②:スマホ代を経費にする方法(いちばん揉めやすい=按分根拠が命)

スマホは混ざりやすいので、やることはシンプルです。業務利用分を区分して、記録を残す

最強の方法:副業用の回線・端末を分ける

可能ならこれが一番ラクです。副業専用回線(eSIM含む)を持てば、説明がほぼ不要になります。

分けられない場合:按分ルールを決めて固定する

たとえば次のどれかに寄せます。

  • 利用時間:スクリーンタイム等を月1で記録(業務アプリの使用時間)
  • 通信/通話の実績:取引先通話履歴、テザリング利用、業務用SNS運用ログなど
  • 用途で区切る:撮影は副業用、連絡は副業用…など運用ルール化

完璧な計測より、「同じ基準で続けられる仕組み」を優先してください。

本題③:PCは“金額別の処理”が要注意(10万・20万・30万)

PCは「買った年に全額経費」とは限りません。10万円以上20万円未満の資産は一括償却資産(3年均等)などの選択肢があり、一定要件を満たす青色申告者が10万円以上30万円未満を一定枠まで当年の必要経費にできる特例もあります。

【減価償却・金額別チャート】あなたのPCはどれ?(最短で判定)

取得価額処理の選択肢(一般的な整理)つまずきポイント
10万円未満消耗品費等として当年計上になることが多い私用が混ざるなら“副業利用分”の説明(按分)
10万円以上20万円未満一括償却資産(3年均等)などの選択肢買った年に全部落とせないケースがある
10万円以上30万円未満一定要件の青色申告者なら「少額減価償却資産の特例」(年300万円まで等)要件・上限・期限がある
30万円以上原則、耐用年数に応じて通常の減価償却初年度は“月数按分”を忘れやすい(次項)

重要:通常の減価償却は「初年度=月数按分」(年の途中で買うと満額にならない)

年の途中で資産を取得して通常の減価償却をする場合、初年度に経費化できるのは「使った月数分」になるのが基本です。

たとえば「12月に買った(12月から使い始めた)」なら、初年度は1か月分しか計上できないイメージです。
一方で、一括償却資産や少額減価償却資産の特例など“別の扱い”を使う場合は考え方が変わるため、ここは混同しないのが大事です。

注意:30万円未満を一括で経費化できる特例には「期限」がある(現行:令和8年3月31日まで)

一定要件を満たす青色申告者が、10万円以上30万円未満の減価償却資産について、一定枠まで当年の必要経費にできる特例は、期間が決まっています(現行の整理では令和8年3月31日まで)。

延長されることもありますが、制度は更新され得るため、購入年度の最新情報を必ず確認してください。

「税金は経費にならない」代表例(ここを混ぜると一気に危険)

よくある落とし穴です。所得税や住民税、罰金・科料・過料などは必要経費にならない、という整理があります。

ざっくり整理すると以下です。

  • NGになりやすい:所得税、住民税、延滞税、加算税、罰金・反則金
  • 例外的に出てくる話:事業税や固定資産税などは“業務用部分に限る”など条件が絡む(個別確認推奨)

【テンプレ】家事按分・根拠メモシート(そのまま使える)

家賃・スマホ・光熱費・ネット代など、家事按分が必要な支出は、この「根拠メモ」があるだけで説明力が上がります。

項目記入例
対象支出家賃/電気代/スマホ代/ネット代
副業内容ブログ運営/物販/業務委託(ライター)など
按分の基準面積/時間/利用実績(スクリーンタイム等)
面積(自宅全体)45㎡
面積(仕事スペース)6㎡(机+棚の範囲)
作業時間(週)平日2h×5日+土曜3h=13h
按分比率(計算式)例:面積6/45=13.3%(または面積×時間など)
根拠の保存物間取り図(写真)/仕事スペース写真/作業時間メモ
運用ルール毎年同じ基準で計算し、比率をむやみに動かさない

失敗しない始め方:今日からの3ステップ(レシート管理が苦手でも回る)

ステップ1:支出に「用途メモ」を一言つける(最強の防御)

レシートに手書きでも、スマホメモでもOKです。

  • 2026/01/10 書籍2,200円「ブログ記事(経費)リサーチ用」
  • 2026/01/12 梱包材1,180円「せどり発送用」
  • 2026/01/15 カフェ800円「取引先Aと打合せ(案件名)/同席B」

ステップ2:家事按分は“型”を決めて固定する

家賃・スマホ・ネット・光熱費などは、面積/時間/利用実績のどれで割るかを決め、毎年同じ基準で回します。

ステップ3:PCなど高額品は「購入日・金額・処理方針」を台帳メモ

10万・20万・30万で扱いが変わり得ます。加えて通常償却は初年度が月数按分になりやすいので、購入したら即メモするのが安全です。

よくある失敗5選と回避策(否認される人の共通点)

失敗1:家賃・スマホを「なんとなく半分」で按分

回避策:面積×時間など、説明できる基準に。間取り図・写真・作業時間メモを残す。

失敗2:レシートはあるが「何に使ったか」を言えない

回避策:用途メモを残す。家事関連費は特に“記録に基づく区分”が重要。

失敗3:所得税・住民税・罰金を経費に混ぜる

回避策:税金でも経費にならないものがある。まず混ぜない。

失敗4:PCの処理を間違える(高額なのに一括で落とす/初年度の月割り忘れ)

回避策:金額別チャートで処理を決める。通常償却は初年度の月数按分を意識。

失敗5:帳簿・書類を捨てる(あとで説明できない)

回避策:白色申告でも帳簿や書類の保存が必要です。青色申告でも帳簿・書類の保存について整理があります。

向いている人/向いていない人(“攻めた経費”を入れる前に)

この運用が向いている人(否認されにくい)

  • 用途メモを残せる(レシートに一言でOK)
  • 按分ルールを固定できる
  • 高額品を買ったら即、台帳メモできる

向いていない人(先に整えた方がいい)

  • レシートをなくしがち/用途を思い出せない
  • 家賃やスマホを大きく按分したいが根拠が弱い
  • 高額品を頻繁に買う(償却・特例の判断が必要)

このタイプは、“節税目的で経費を増やす”より先に、記録の仕組みを作るほうが安全で早いです。

まとめ:チェックリストと次にやること

副業の経費は「どこまでOKか」より、必要性・証拠・合理的な按分の3点で“否認されない形”を作るのが正解です。特に家賃・スマホ・PCは混ざりやすいので、家事関連費の考え方と、減価償却(初年度の月数按分)・特例の期限を押さえるだけで安心度が上がります。

すぐできるチェックリスト

  • 経費の支出に「用途メモ」を残している
  • 家賃・スマホ・ネット等は按分ルール(面積/時間/実績)を決めて固定している
  • 間取り図・作業写真・作業時間メモがある(家賃の根拠)
  • PCは金額別に処理を選び、通常償却なら初年度の月数按分を意識している
  • 所得税・住民税・罰金など経費にならないものを混ぜていない
  • 帳簿・書類を保存している(白色/青色でルールが違う)

次にやること(3ステップ)

  • ステップ1:今日:家賃・スマホ・PCの「副業利用の根拠」を1つずつ作る(間取り図/スクリーンタイム/作業時間メモ)
  • ステップ2:今週:レシート管理のルールを決める(用途メモ→月1集計→クラウド保管)
  • ステップ3:高額品を買ったら即:取得価額と処理方針を台帳メモ(特例の期限も確認)

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